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熱が出ると
まなが安らかな顔ですうすう寝息を立てて眠っている
さっきまでのまなはなんやったんや…
むーっと頬をふくらましてやぁ…!!と駄々をこねるまなを思い出す
熱でボーっとしてってやつやろか…?
そーっとオレの肩に頭を乗せるまなの頭を撫でようと手を伸ばす
「………」
「………!!」
するとまたパチッとまなが目を開いた
まだまなが眠ってから5分も経ってない
いくらなんでも早すぎやろ…
まなはくるんっとした大きな目をぱちぱちさせて周りを見てからじっとこっちを見つめた
またさっき見たく飛びついて来るやろうと身構えた
「ッ!!ッ~~~~~!!」
「………まな…?」
「ッ!!」
「いたっ!!」
でもまなはオレの予想に反して見る見るうちに顔を赤くしたかと思うと
どんっとオレをベットから突き落として布団に包まってしまった
布団がもぞもぞ動いて中から「あぁぁぁぁ…」という唸り声が聞こえてくる
さっきまでのまなと大違いや…むしろいつものまなみたい…
そんなふうに思いながら打った腰を摩ってると唸り声をあげる布団がぺらっとめくられて真っ赤なまなの顔が半分だけ見えた
うぅぅぅ…っと低く唸り続けている
「………見た……?」
「……?」
「だからその……俺…さっき起きるまで何してた…?」
「あぁ…ぎぃんん~って甘ったるい声ですり寄ってきて、熱測ろうとしたら一人じゃはかれないぃ~ってダダ捏ねて、オレが測ってやったら……」
「あぁぁぁぁぁぁ…!!!」
まなが唸りながら布団の中にまた潜ってしまう
すっかりいつものまなやった
まなはううううう…とかあああああ…とかしばらく唸り続けていたけどそのうちしん…っと静かになった
それから少し間を置いて布団からにゅっと手が出てくる
その手は無言で部屋の入口を指差しとった
「………」
「……まな?」
「……帰れぇ…」
「でもまな…」
「帰ってぇ…」
まなが布団の中から情けない声を出す
もう半分泣いてるみたいだった
そしてまなは急にがばっと布団から出てきたかと思うと赤い顔で目に涙を溜めてすごい勢いでまくしたて始めた
「み、見ただろぉ!!昔からなんか熱でて、意識ボーっとしてくるとああいうふうになるんだよぉ!!」
「………」
わぁぁぁぁっとまながベットに伏せる
相当恥ずかしいらしい
オレからすれば普段のえっち中のまなや酔った時のまなの方がよっぽど恥ずかしいと思うんやけど…
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