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あっついおくち

まなはまだ不安そうな顔をしつつもこくんっと首を縦に振って小さい声で『いーよ…』と言った まなの頭をぽんぽんと撫でてやる 「まなええ子やな?じゃあがんばろか?」 「……ん…」 まなはまだ嫌ではあるらしく眉毛を下げたまま不安そうにオレを見上げていた 「じゃあまな目つむって?そんで口あーんってしてちょっと上向いてな?」 「……うん…」 「ほらまああーん…」 「………あーん……」 まなはぎゅーっと目をつむって口を開けオレの服をにぎっとった 「………」 さて… 自分の口に水を含んで錠剤の風邪薬を唇に挟む 目をつむるまなの頬に手を添えていい角度に顔を傾けた オレ昔から風邪とか引かんし大丈夫やろ… まぁ…うつったらうつったでまなに看病してもらえるしええわ… 「………?」 「………」 急に顔を傾けられてよくわからないまなはきょとんとした顔をしとった そんなまなの唇に自分の口をくっつける 「ッ…!?」 「………」 ……まな口ん中あっつ… ビグッと体を震わせて離れようとするまなの顔を固定して体を抱き寄せて錠剤を舌で口の中に押し込んで水を流し込んだ まなは『うっ…』と顔をしかめて苦しそうな顔をする まな…まだキスするとき鼻で上手に呼吸できんもんな… 鼻で呼吸できず口がふさがれて口でも呼吸ができなくてくふくふと苦しそうに唸るまなが窒息しない程度に隙間を作ってやる でもどっちにしろ口の中の薬を飲んでしまわないと空気は吸えない 始めは抵抗していたまなもそのうちくたぁ…っと体の力が抜けて行き最後にはごくんっと喉を鳴らして薬を飲み込んだ そこでやっと唇を離してやる まなは口の端から涎を垂らしてへたぁ…っとオレの体に寄りかかっとった 「……っはぁ…ふぁ…」 「ほら、お薬飲めたやん?」 「……ふぁぇ…?」 「ははっ、ええこええこ」 「………」 まなははふはふと呼吸を整えて何が何だかよくわからないながらも頭を撫でられ褒められて嬉しそうにしとった 酸欠気味ででとろんっとなった目でオレを見上げてる 多分これで少しは熱も下がってくれるんやないやろか? オレもオレで一安心やった

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