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寂しくないわけない

「………」 「………」 今日は猛と図書館で勉強している 猛のバイトまで少し時間があるからその間だけ… チラッとオレの正面に座る猛を見る 猛は真剣な表情で手元の問題集と答えを見比べ間違えた部分に赤ペンで修正を入れていきもう一度同じ問題を解く作業を繰り返してた 猛の問題集は学校のやつでしずちゃんのお古らしくぼろぼろだった 多分しずちゃんが書いたんであろう問題の注釈の横に猛が自分の自で注釈を書きくわえて行っている おれの参考書…同じだしあげようかな? すごいきれいなままだし… そんな真剣な猛の表情に見とれていると猛と目があった 猛が少し目をパチパチしてからぐいーっと伸びた そしておれのノートをみて不思議そうな顔をする 「先輩…全然進んでないじゃないすか」 「あ…ごめんなんか…うまく集中できなくて…」 猛が少し心配そうに聞いてくる 優しいな… 「…場所変えます?」 「ううん、いいよちゃんと集中してやる…」 「…そうっすか?」 猛はそう言うとちらっと時計を確認してから再度問題集に目を落として勉強を再開した おれもやらなくちゃ!! 「………」 「………」 そうしてしばらく問題を解いてみたけどなんだか落ち着かない 再度顔を上げて猛を見た ……… おれは少し離れた場所にある大学に入りたいと思ってる 少し難しくてもやりたいことがあるんだ でももしそこに行くなら一人暮らしだってぱぱやままに言われた 要するに猛とも離れないといけない… 「………」 「………」 猛は相変わらずの集中具合だった 猛と…離れる……………………やだな…… そう考えただけで胸のとこがきゅっとした 寂しくないわけない、一緒にいたい… 「………」 「………」 図書館にはちらほら人が見えるけどみんな静かに黙って各々の作業を進めてる 今日は図書館の静かさが寂しさを誘った 離れたくない…………でも……… 目をつむって首を振る 寂しくても一緒にいたくても一生懸命いっぱい考えて決めたんだ… もう一度集中している猛を見た 難しそうな顔で数学の問題を解いてる ……よーし!! 大きく深呼吸して自分の勉強に取り掛かった

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