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出来てない性格

「……ごめんな…」 「………」 開いた口がふさがらない なんでそんなとつぜん… 何か言わないとと思ったけどなにを言えばいいのかわからなかった がんばってね?そんな風に素直に言えるほどできた性格じゃない… 行って欲しくない?でも銀だって考えて決めた進路だろうしそんなの俺がわがまま言うことじゃない… そんな風に思ってはいたけどでも銀と離れたくなくて、急にそんな事言われてなんて言ったらいいかわからなくて、頭がぐしゃぐしゃして、思わず口をついて出た言葉は怒気を孕んでいた 俺何度も聞いたのに… 迷ってたなら迷ってるって言って相談してくれても良かったのに…!! 「……なんで言ってくれなかったの…」 「………ごめん……でも、迷っててん…本当にそれでいいのか決めてからまなに言うた方がええと思ってん…」 「だったら…!!迷ってるって言ってくれたら良かったのに!!」 「………」 銀は申し訳なさそうにうつむいた いつもみたいに軽くあしらったりしようとしないとこが銀の真剣さを物語っていて余計に辛かった 「それに…よりによってそんな…T大なんて…」 「………」 銀は何も言わなかった ……なんか言えよ…もう決めたことだからとか…そんな事言われても困るとか… 腹立つこと言えよ…… 「……ごめんな…」 銀が謝る やめろよ…謝ったりすんなよ… 悔しくて自分が子供っぽいって言われてるみたいな気がして唇を噛んだ 「あんな…まな…でも一応オレもな?いろいろ考えて決めたんやで…?」 「………」 「まなにとってもオレにとってもええと思うねん…やっぱり…」 「…ッ!!」 そこで俺はカッとなってしまった 銀の話を最後まで聞かずに立ち上がる 銀は話すのをやめてこっちを見上げた 俺にも銀にもいいってなんだよ…!! そんな…遠くに行っちゃってたまにしか会えなくなるのが良いことなのかよ…!! 銀がゆっくり立ち上がってこっちに手を伸ばしてきた 俺は良くない!! 「……まな…ちょっと座って…」 「やだ!!知らない…!!」 「まな…」 一歩引いて銀の手から逃れる 銀が何だか苦しそうな顔をして俺を見た そんな顔するなよ…!! そんな顔するんだったら行くなよ!! いやだった… これ以上銀に嫌な事を言いたくなかった ぐっと唇を噛んで俯く 「………帰る…」 「………」 やっとのことでそう搾り出してその日はそのまま銀の家を後にした 銀は追いかけてきたりはしなかった

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