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口を突いて出た言葉

「っち…ちがう…!!」 「!!」 「!?」 俺の周りで質問を浴びせかけていた人の声が収まる 胸がやたらとどきどき言ってて冷たい汗が体中を伝って息苦しくてなんか嫌な感じだった 勢いに任せて一気にまくしたてる 「ち、ちがう…よ…違うに決まってんじゃん…だって、さ…銀男だよ?俺だって……」 「………」 「………」 ハハッとかわいた笑い声が喉から漏れた そもそも声も良く出ていなかったかもしれない あとから健斗に聞いたけどこの時の俺は相当ひどい顔をしていたらしい 周りにいた奴らはシーンとして俺が急に大きい声を出したから少し驚きながらもじっとして俺の話を聞いていた 「あ、ありえないだろ…男同士だぞ、ハハッ…そんなの…」 今まで言われて傷ついた言葉の数々がするすると口から出てくる 言いたくないのに止らなかった うっかり気を抜くと泣いてしまいそうだった 口が渇いてきて息苦しい… その時視界の端に入った銀とパッと目があった 周りにいる女子もこっちに注目していて銀の事はあまり見ていないようだった 銀はひどい顔をしていた あまり本当の感情を大きく表に出したりしない銀がひどく傷ついたような怒ったような表情をしてこっちを見ていた 「あ…ぎ…」 「………」 「!!ぎんっ!!」 思わず銀を呼ぼうとするけど銀は俺が言い終わるよりも早くクルッと踵を返してつい数分前に入って来たドアから出て行ってしまった 銀!! 慌てて人をかき分けて銀を追いかけ走り出す 後ろからため息や阿鼻叫喚やら『やっぱりかよ…』なんて嫌悪する声も聞こえたけれどそんな事に気を配ってる暇なんてなかった ……やってしまった…!! さっき俺が言ってた事を思いだす ひどい言葉ばかりだった 「ぎんっ!!」 「………」 銀はどんどん進んで行く 俺が追いついて呼びかけても止ってくれなかった 銀の腕をグッと掴んで無理やり銀の歩みを止めてこっちを向かせて ビックリするぐらい冷たい目で俺の事を見下ろしていた 「銀、ま、まって…」 「………」

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