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犯人

学と銀が付き合ってるってことがみんなに知れ渡っちゃった日のお昼… 「えっ、じゃあ誰かが学さんたちの事を噂流したってことですか?」 「……いや…もしかしたらなんか銀とその…そう言うコトしてるのとか見られたのかもしれないし…そうとも限んないけど…でも…うん…多分…」 なんだかぼーっとして魂が抜けちゃったみたいになった学を引っ張っていつもみたいに校舎裏で猛とご飯を食べていた 猛も銀と学の噂を聞いてはいたみたいで心配そうに学を見ていた 学は午前中だけで相当疲れちゃったみたいでぼーっとして座っている さっきこっそり銀にメールしてみたけど銀からのメールは帰って来てなかった 「………学…大丈夫…?」 「え…?大丈夫…だよ?」 学がへへへって無理に笑ってそう言う でも大丈夫なわけないよね… 教室でのことを思い出して学が気の毒になった… 大勢の人に囲まれて、質問攻めにされて、あることないこといわれて、かってにきもちわるいなんて言われて…… なんか思い出したらおれまでむかむかしてきた!! 今はお昼休みだし皆猛が怖いから学の事を追いかけてきたりはしなかったけど学、午後も学校いて大丈夫かな… ぽけーっとしてふぅっと溜息をついてはたまになんだか苦しそうな顔をする学を見てるとかわいそうだった 別に、普通の事なのに… 思わず猛を見つめる 好きになった人が偶々男だったってだけ…銀を見てきゃーきゃーいうクラス女の子達やこっそり好きな子の名前を教え合うクラスの男の子たちとなにも違わないのに… ………学は何も変わっていないのに… そう思っておれまで少し悲しくなっていると猛がおれの頭をぽんぽんと撫でてくれた 猛が学に向き直る 「別に犯人探しがしたいわけじゃないッスけど……誰か学さんたちの事広めた奴に心当たりとか無いんすか…?」 「…………」 猛が学の様子を気にしながらそう尋ねると学はふっと顔を陰らせた 心当たり…あるんだね…… 「もしかして…ちづちゃん?」 「…でも桜井さんは……」 学が慌てて否定する 同じクラスの女の子のちづちゃんはずっと学の事が好きでこのあいだの夏祭りの時に告白して来て、それを断るときに銀とのことを教えたって学が言ってた やさしくておとなしい、あまりしゃべったりしない子だけど良い子だって学言ってた… 「でも…じゃあ他に誰がいるの…?」 「それは…わかんない…けど……でも桜井さんはちがう…よ…」 おれだってまさかちづちゃんがそんなことするとは思えないけど… 「………」 「………」 しーんと黙り込む ちょうどその時予鈴が鳴った 学がびくっと体を強張らせる それをみて猛と顔を見合わせた 学がかわいそうだった

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