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まだがんばれる

何とか学校中の奴らから好奇の視線にさらされ、噂され、心無いことを言われることを乗り切ってその日を終えた 「……はぁ…」 疲れたな… 学校から出て、家に帰りつき、人目につくことが無くなるとドッと疲労感が襲ってきた 体が重く、怠い… 「………」 ズルズルと自分の体を引きずって部屋まで行く でもその後何をやる気も起きずその日はそのまますぐ泥のように眠ってしまった… 次の日の朝… 昨日開く余裕がなかったスマホを開いてみたけれど銀から連絡は来ていなかった すこし期待をしていた分気分が落ち込む 「………」 はぁ…っと溜息をついていた銀を思い出す 昨日今は冷静に話せないからと言って銀は帰って行った ………大丈夫…待てる… まだ銀に聞きたいことも話してほしいこともたくさんある… 進路のことも…今回のことも… そう自分を勇気づけた でもそう考えるだけで本当にもうちょっと頑張ろうって気になれた こうしてすこし憂鬱な気分になりながらも昨日脱ぎっぱなしにしてしまってしわが寄ってしまった制服に腕を通して玄関で靴を履く 実は昨日一日噂の中心になり、いろんな人からいろんな視線を向けられ、いろんなことを言われて思ったことがあった みんなあんな風に手の平を返したような態度を取られて確かにショックだったし、悲しいこともたくさん言われたけれど、でも耐えられないほどじゃないと思った 猛が言ったみたいに時間が立てばそんなショックだったり悲しいことは誰も言わなくなる 銀とちゃんと話しあってほとぼりが冷めたころに皆と話ができれば俺達だってみんなにきっと認めてもらえるだろうと思った だから大丈夫…… 「……ふぅ…」 ドアに手をかけて小さく息を吐いた ……銀… 「…いってきます…」 銀を思って再度気合いを入れて家を出た 本当は学校になんて行きたくなかったけれどまだ昨日の事を思いだすと怖かったけれどでも頑張ると決めたんだ… がんばれる… でも俺はこの日『銀』という『男』と付き合うということのむずかしさと辛さ痛いほど知ることになる…

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