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思いがけない変化

久々に学校に行った 理由は特にないけれど冷静になって、まなの事とか、進路とか、クラスメイトの反応とか、今回の一連の事を踏まえて考えて、それでも結局答えは出なかったけれど頭が冷えてまなと一緒に考える方がいいと思って一週間ぶりぐらいに学校に来た でもそこには思いがけない光景が広がっていた オレ自身が注目を集めるだろうことはわかっていた でもそれよりもまなを見た時に目を疑った 教室のやや後ろ、自分の席の前に立つまなは以前より若干ではあるもののほっそりと痩せてしまい、見るからに疲れ、やつれてしまっていた 目がうつろに揺れていて吹けば消えてしそうな危うさがある しかもまなはオレと目があっても少しだけオレを見つめただけであとは何でもなかったかのようにぼんやりとしていた そんなまなの視線にを追ってまなの手元に視線を持っていく すると机の上には口にするのも嫌になるような大量の悪口や罵倒が書かれていた それを学が雑巾で一生懸命擦っている さぁっと体中から血の気が引いた気がした ただひたすら机を擦るまなが不憫で哀れで堪らなくなってまなの手を掴んだ まなの手は今までも何度も冷たい水に触れたのか冷えきってところどころあかぎれが見えた 「………ちょっと来て…」 「………」 気が付いた時には体が先に動いていた まなの返事を聞かずに手を引っ張って階段裏まで移動する 幸いまなは抵抗せずなんだかぼーっとしたとした顔でついてきた 「まな…あれ…なんなん…」 「………」 あれって言うのは机の落書きの事だ 自分であんなこと書いたりするわけない… まなは少し考えてから見た通りだよと答えた 声まで疲れているようやった 机に書かれていた内容を見ればわかる… オレが原因なんや… ぎりっと思わず歯を食いしばった 「……いつから…」 「…………銀が学校来なくなった日の次の日から…」 「結構前やん…」 あんなことをオレが学校に来なくなってからずっとやられていたのか… そう思うと胸が痛んだ でもそれと同時に、なんで抵抗しなかったのかとか、嫌がらなかったのか、なんて言う疑問が浮かんだ 「……なんで言うてくれなかったん…」 「銀を待とうと思った…」 「待とうと…って…」 待つ… まなの解答に顔をしかめる オレを待って何になるって言うんや… でも弱っているまなにそれを追及するのは酷な気がしてそのまま次の質問を口にした 「……なぁ…なんでまな抵抗しなかったん…」 「………」 そう尋ねるとまなは少しの間考えこんだ

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