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仕返し

「もうっ!!むかつくむかつくむかつく!!」 「ちょっと~」 「おちつきなよ~」 「落ち着けるわけないじゃん!!」 また例のファーストフード店に怒声が響き渡っていた 一人の女子がわーわーとわめいていて他の二人がそれをなだめようとしている 今日学に嫌がらせを仕掛け結果として銀にそれを止められた女子三人組だった リーダー格の女子は不機嫌そうにスマートフォンをいじりながら大きな声をあげた 「なんなのアイツ…おどおどしてさ、女子なんかに庇われて恥ずかしくないわけ!?」 「ホントね~桜井さんもさぁ~あんなのほっとけばいいのに」 「いやでもアレが好きとかマジ笑うよね、B専かっつーの」 ぎゃはぎゃはと下品な笑い声が響き周りにいた客が顔をしかめた それでもお構いなしに話し続ける 「銀くんに助け求めたりしてさー、まったく懲りてない」 「ほんとほんと、頬付クンも放っとけばいいのにね~」 「ね、優しい~♥」 こんな風にお互い思い思いに愚痴を言いあっていると突然、リーダー格の女子のスマホにメッセージが届いた そのまま学の文句を言いあいながらもメールを確認した 彼女の他校のセフレの男からだった 『今日夜ヒマー?』 とあからさまな内容だった でもその時彼女の頭で悪知恵が働いた 思わずと言った感じで彼女の口角が上がって行く 「………」 「……あれ…?急に黙ったりしてどうしたの?」 「なに?怒りすぎて脳みその血管でもきれたんじゃないの?」 彼女の友人たちがおーいと目の前で手を振るが彼女は反応を示さなかった そしてやっとゆっくり口を開いた 「ねぇ…良いコト思いついちゃった…」 「…?」 「…?」 にやぁっと彼女が笑う 友人たちは意味が分からない様子でお互い顔を見合わせていた 「あんな辱めにあわされて……きっちり制裁くわえとかないとね…」 「………?」 「………?」 この彼女の制裁とは恐ろしいものだった…

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