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贖罪

気付いたら気を失っていた 急に視界が真っ暗になって、息が苦しくて、怖くて… そしたらぷつんっと意識が途絶えた そしてそこからは真っ暗で、やっぱり怖くて、寒くて、早く逃げ出したくてわけもわからずいっぱいもがいてたような気がする… しばらくして目が覚めると今度はまたさっきまでの恐怖や気持ち悪さや我慢してた物がどっと現実味を帯びて襲ってきて逃げ出したくなった でも銀がいてくれて訳も分からずもがく俺をずっと抱き締め背中を撫で続けてくれた 銀に縋ってしがみ付きカタカタと震え続け、銀の体温や心臓の音がシャツ越しに伝わってきてそれが少しづつ俺の冷静さを取り戻してくれた おかげで少しだけ落ち着くことができた 荒く短い間隔で続けられていた呼吸が徐々に緩やかになって行く それでも体からは嫌な汗が流れべったりと張り付いて俺の体を冷やした 「……っはぁ…はぁ……」 「………」 「……っはぁ…あ…」 「……まな…落ち着いた…?」 「………」 銀がそう尋ねてきた 正直どう答えたらいいかわからなかった さっきのおぞましい光景が頭にへばりついて離れない… 机に手を入れた時の感触…床に散らばる避妊具…そこから垂れ落ちる白い液体…そしてこちらを見つめる好奇と悪意のこもった視線… 今もまだ手にぬるっとした冷たく異臭のする白い液体がまとわりついているような気がしてそれを思い出すだけでまた吐き気がした 銀が俺の背中をとんとんと一定のリズムで叩きながら俺の返事を待っている 正直まだ心の中はざわざわして混乱しててどうしたらいいのかもわからなかった 自分でも自分の状態がよくわからなくて答えあぐねてしまう すると銀が口を開いた 「………」 「……ごめん…」 「………」 唐突に銀はそう言った 銀の腕に力がこもる 「……許さなくてええから…本当に…ごめん……」 「………」 俺をきつく抱きなおして苦しそうに肩に顔を埋めている なぜ謝られてるのかよくわからなかった すると銀が再度口を開いた… 「……オレの…ちっこい…いらんプライドを優先して…ホントに大事なもんなんてもうとっくにわかっとったはずなのに忘れて……まなを傷つけて、遠ざけて…………ほんと…最低やわ………恋人として……それ以前に人として失格や…」 「………」 「………いくら謝ったって謝りきらんけど…」 「………」 「…………ごめん…」 銀は苦しく辛そうだった 声はかすれ消え入りそうで体は震えているような気がした

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