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変化

オレが告白されているのを見たその日からまなは変わった 何というかこう…静かになった… 「それでね!!猛がね!!」 「………」 今も教室の入口辺りで健斗と話しているけれど前とは違って見えた 今までも別にうるさいとかにぎやかってタイプではなかった どっちかっちゅうと大人しめで静かなタイプやったとは思うけどそういうことやなくて…こう、しっとりした雰囲気をまとうようになった… 「………」 そんなまなを黙って眺める… 元気に?なってくれてよかったとは思う でも実は少し別の問題があった 健斗に話しかけられてまながフッと頬を緩ませる このまな…なんかすごい下半身にクル… 「……はぁ…」 たまらず机の上に突っ伏した 始めはちょっとしたことやった まなはオレと別れたばっかりのころは悲壮感いっぱいって感じでオレに一切話しかけたりしてこようとはしなかった でもあの一件から多分まななりに別れたってことについて考えなおしたんやと思う プリントをまわしたりするとき少しだけ話しかけてくるようになった 内容はテストが嫌だとかお腹が減ったなんて他愛もない事やったけど問題はそこからや… 話しかけてくるたびに頬を赤らめ、目を逸らして、話しかけてきて、オレが返事をすると心底嬉しそうにふにゃぁっと笑う 恋する乙女みたいな反応をするんや… ……正直たまんない… まなとオレはキスしたり、えっちしたり、好きになって付き合うようになったりするまでの順序がめちゃくちゃやったから片思いとかそう言う期間がなかった やから余計に今回のこれはヤバい… 「はぁぁ…」 「…頬付~」 深くため息をついて頭を抱えていると名前を呼ばれた のっそり顔を上げると、ちょうどまなと健斗が話しとるドアの辺りに立つ男子がオレを呼びながらちょんちょんと教室の入り口からこちらを覗く女子を指差しとった すぐに何なのか察してゆっくり立ち上がった さすがに毎日多すぎやないやろか…? そんな事を思いながらまなと健斗の横を通り過ぎてドアのとこまで行く でもその時目に入ったまなの顔を見て思わず足を止めかけてしまった まなはきゅっと下唇を噛んで不安と悲しさが入り混じったような表情をしとった そっとオレを見上げてオレがそっちを向くと目を逸らしてばつの悪そうな顔をする ほら、こういうのや… 正直ムラッとした あー…もう… まなよりよっぽどオレのが耐えられないかも知らん… 再度大きく息を吐いて目を覆った

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