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まんまるで吸い込まれそうに透き通った
一方で学さんはというと学さんにも変化があった
学さんはいろいろあってからもオレと紺庄先輩と昼飯を食っている
ちなみに頬付先輩はどこで食べているのかわからないけれど少なくともオレらとは食ってなかった
始め学さんは悪いからとオレらと食べるのを渋っていたけれど、紺庄先輩が学さんをひどく心配していたし、オレだって迷惑だなんてかけらも思っていなかったからそのまま一緒に食べる習慣を続けている
学さんは嫌がらせを受けるようになってから、元々特に体格のいい体をしていたわけではなかったのにさらにげっそりと痩せ細ってしまい、そんな学さんがぼんやりしながらやっとのことでおにぎりを一つ食べきるのを見るのはなんだか悲しく辛かった
でも最近はまだ痩せてしまったままではあるものも顔の血色も良くなり、徐々にではあるものの食欲も取り戻しているようだった
「………」
「でね?ママがね?」
学さんは今も紺庄先輩の話を聞きながらコンビニのサンドイッチを食べている
心なしか表情が和らいで穏やかな空気をまとっているように感じた
実は学さんと頬付先輩が別れたって聞いた時、頬付先輩よりも学さんの方が深刻な事になってるんじゃないかと心配してたんだけど……
でも穏やかに笑いながらサンドイッチを食べる学さんからはそんな悲壮感は感じなかった
むしろどこか活き活きとして、活力があるように見えた
そんな学さんを見てやっぱり二人の間には何か見えないつながりがあるのだと思った
そしてその時、紺庄先輩のお母さんの話がひと段落すると、少し間を開けてまた紺庄先輩が今度は神妙な面持ちで口を開いた
「……学…あのさ…相談とかさ…あったら、言ってね…?」
「………」
「その…さ…おれら、幼馴染…だし…猛とかもいるし、さ…」
唐突なように思うけど多分紺庄先輩なりに気を使ったタイミングだったんだろう
一瞬しんと場が静まりかえった
紺庄先輩はハラハラしながら学さんの顔を伺っていた
「……ありがとう…」
「!!」
そしてしばらくすると学さんはゆっくりとそう言った
ゆったりと笑って紺庄先輩を見てそれからオレも見た
まんまるで吸い込まれそうに透き通った黒目だった
少しだけドキッとした
でもすぐにフッといつもの学さんに戻る
紺庄先輩に視線をもどして
「でも大丈夫だよ」
と言った
「…ほんとう?ほんとのほんとに本当?」
「本当だよ、ほんとのほんとに本当」
心配そうに聞き返す紺庄先輩にも微笑んでそう答えている
「ホントに今は大丈夫だよ、心配してくれてありがとう…」
「…………そっか……」
学さんがそう言うと紺庄先輩は少しだけホッとしたような表情をした
なんだかこんな学さんを見ると本当に大丈夫なんだろうと思えた
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