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近付く卒業
その次もその次の日も銀からの連絡はなかった
………結果、良くなかったのかな…
そう思うとすこし不安になって残念に思う反面、銀とT大ほど遠くに離れなくていいかもしれないって嬉しかったりもした
そうこう思ってるうちに学校に登校しないといけない日になった
これから数日は学校に来て卒業の準備やら写真撮影やらをしないといけない
いろいろ振り切ったつもりだったけれどそれでもやっぱりあの教室に行くのは億劫だった
………そう言えばもう卒業まで数日しかないんだな…
銀と会えるのも…
きゅっと胸が苦しくなった
「ひさしぶり~!!おめでと~!!」
「そっちもおめでと~!!よかったね~!!」
校門をくぐるとみんな久しぶりに合う友達と顔を合わせては合格の是非や会わなかった間にあったことなんかを話していた
「………」
その中に銀の姿を探したけれど銀は見当たらなかった
「………」
教室にも銀はいなかった
………まぁ…もとから遅刻ギリギリか遅刻してくるやつだしな…
そう言い聞かせて自分の席に着いた
「オレ落ちたよ~…」
「え、どうすんのお前…私立の第二志望のとこ?」
「いや、親が国立行けって、浪人」
「うっわマジか~辛いな~…」
…………
「やっとおわったよ~!!」
「ね~スッキリって感じ、せっかくだしさ~みんなで遊びに行こうよ~お疲れ様会みたいな?」
「お、いいね~」
………
教室でもどこでも大方同じような話がされていた
つい数か月前まで銀と俺の事で大騒ぎして、オレが教室に入るだけでしーんと静まり返ってたのにな……
なんだか同じ場所のように思えなくて変な感じだった
「あ!!学!!おはよー!!久しぶり!!おめでとう!!」
「おー…健斗、そっちもおめでとう…」
「うん!!受かった!!」
教室に入った瞬間こっちに走り寄って来た健斗が嬉しそうにVサインを向ける
いっぱい勉強したんだよ!!と胸を張っていた
「………銀、まだ来てないんだね…」
「………うん…」
健斗が俺の後ろの席を見て残念そうにそう言う
健斗も連絡がない銀の事が心配らしい
もうSHRが始まるまで5分ぐらいだった
………遅いな…
やっぱり心配で不安だった
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