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目的
結局その日、銀は学校にこなかった…
「………」
家までの帰り道、何も新しいメールは届いてないメールボックスを開いてじーっと眺める
そんな事をしても新しいメールが来ることはなかった
「……はぁ…」
………銀…やっぱり受験……
家の鍵を開けて家の中に入る
「ただいまー…」
返事が返って来ないのが久々で少しさみしいかった
母さんは俺が大学に受かって少しすると一度父さんのところに帰ると言って戻って行った、大学の入学式までには父さんと帰って来るからと言っていた
向こうの家での用事をいろいろやってから、次はオレがしばらく大学に馴染むまで少し長くこっちにいるつもりなんだって
銀がもしT大に落ちてたら…
そんな縁起でもない想像が膨らむ
銀が近くにいてくれて嬉しい…けど…銀の気持ちを考えると苦しくなる…
だってあんなに行きたがってたのに…
俺から離れることになってもT大に行くと言い切った銀を思い出した
少しさみしいような、悲しいような気もする…
「………」
……そう言えば…銀はなんでそんなにT大にこだわるんだろうか…?
突然湧いた疑問に首をかしげる
そう言えば……銀が初めて俺にT大を目指してるって言った日、すぐにけんかみたいになっちゃって俺も話聞かずに出て行っちゃったからなんでT大に行きたいかとか、大学卒業後どうしたいのかって話とかしてないんだ…
「………」
一度思うとなかなか消えない疑問になってしまった
むしろ今まで一度も気にならなかったのが不思議なぐらいだった
……銀は…俺にとっても、銀にとっても良いことって言ってたけど…それに関係あるのかな……
しばらく考えては見たけれど結局良くわからないままだった
今度会えた時に聞いてみよう…
待っても届かないメールを待つのを諦めてスマホのメールフォルダを閉じる
「……銀…」
少し前の、銀が来ない漠然とした不安が胸をよぎったけど首を振ってそんな考えは無理矢理消した
もう終わった事なんだ…
今日だって受験疲れでちょっと体調悪かったのかもだし…
自分にそう言い聞かせてみたもののやはり一抹の不安は消えなかった
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