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恋の行方

でも結局…… 銀はその次の日も、その次の日も学校には来なかった… 「………」 本当にどうしちゃったんだよ…銀… ここ数日空席のままの後ろの席を眺める 不安になって電話も掛けたけど電話はつながらなかったしメールの返信も来てなかった それに実は銀の家にも行ってみたけれど留守だった… もう明日は卒業式なのに… 胸の中で日に日に不安が大きくなって押しつぶされそうだった 「…なぁ、杉田、頬付どうしたの…?」 「…!!おい…それ…」 最近良く声をかけてくれるようになった男子が俺にそう尋ねた その友達が俺に気を使ってそいつを諌める 銀と俺が別れたのは自分たちが好奇の視線を向けて、面白がったせいだと思って罪悪感を抱いているらしかった 「いいよ、別に…そういうのじゃないし…」 「え…あ、そうなの…?」 「うん、でも銀がどうしてるか俺も知らないんだ…電話も出ないし、家にもいないみたいでさ…」 「マジで?あいつ卒業式どうすんの?第二ボタン貰うって張り切ってた女子泣くぞ?」 「だからそういうことさ…」 「………」 第二ボタン… 懐かしいなと思った 卒業式の日に好きな人の心臓に一番近い二番目のボタンを貰うイベント… うちの高校は制服ブレザーだけどそれでも第二ボタンの文化があるらしい… 中学の時は学ランだったからなじみ深いイベントだった 実は俺も当時隣のクラスだった女の子に頼まれてあげたりして… ぼんやりとその子の顔を思いだしてみたけどもうはっきりと思いだすことはできなった 心なしか桜井さんと雰囲気が似ていたような気がする 俺の第二ボタンが欲しいって言ってくれたのはもう名前も思い出せないその子とふざけてた母さんだけだったけど、モテるやつは第二ボタンに関係なくすべてのボタンが無くなってるやつもいた… ……しかも学ランのだけじゃなくて中のシャツまで… 銀は確実にそっちの部類だ…むしろ放課後には素っ裸になるんじゃないだろうか…… 「………」 銀の第二ボタンか…… 自分のブレザーに視線を落として第二ボタンを見つめる もし、俺が銀に第二ボタンを渡したら銀は貰ってくれるだろうか… ………銀… 相変わらず何の通知も来てないスマホに視線を落とした 卒業式来ないなんて…そんなことない…よな…? 「………」 胸の中の不安が大きくなる するとその時 「!!」 ヴーヴーとスマホが震えた 画面には『公衆電話』と書かれていた

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