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逃走中
銀が『待っとって』って言ってくれた
やっと銀とちゃんと話ができるんだって、銀も話をしたいって思ってくれてるって、同じ気持ちなんだって嬉しくなった
だからちゃんと待ってた…
「……はぁ…はぁ…」
「!!」
そしてしばらくすると今度はさらに制服の胸元をはだけさせて、さらに熱っぽい息…というかもうすでに荒い呼吸って感じだったけど…とにかく息を吐いて銀が教室に戻って来た
銀体育でマラソンやった時でさえこんなはぁはぁなってなかったぞ…?
とにかく銀が戻って来てくれてまた心臓がどきどき言いだした
やっと銀と話せるかもって…そう思った
銀と目が合って銀が口を開く
「…ま……」
「「「「「「ぎんくぅ~ん!!」」」」」」
「!?」
「!?」
すると今度はどどどどどっと地響きみたいな音をとどろかせて女子の大群が押し寄せてきた
な、なんかさっきより増えてないか!?
「くっそ…また…」
銀がまた走り出す
「………あ…」
また話しそびれてしまった…
ていうかあんな状態じゃ落ち着いて話もできないし仕方ないんだけど…
………ま、まぁ……仕方ない、かな…待ってよ…
その時はそんな風に思った
でも…
銀が三度目に戻って来たときも…
「あ、ぎん…」
「「「「「「銀くんまってぇ~」」」」」」
「!?」
「!?!?」
その後廊下で見つけた時も…
「…ぎ……」
「「「「「「銀くんいたー!!」」」」」」
「!?!?」
「!?!?!?」
そしてしまいにはトイレですら…
「あ、ぎん…」
「銀くんいるんでしょー!!」
「出て来てよぅ」
「あぁんまってぇ~」
「!?」
「!?」
銀と落ち着いて話すことはできなかった…
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