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真実

「………まな…これからもオレと恋人でいてくれるん…?」 「……ん…」 腕の中にいるまながゆっくりと頷いた 「……遠距離恋愛やで…?きっと一か月に一回とか…もっと会えないかもしれないんやで…」 「……ッ…ッ…」 強く首を縦に振ってくれる 「それでも…オレの恋人でいてくれるん…?」 「……当たり前だろ…!!」 そう言ってまなはオレに飛びついてきた 「っわ!!」 まなに飛びつかれ支えきれなくなったオレがそのままベットにひっくりかえる まなはオレの首にしがみつきオレの肩に顔を埋めとった 泣いているようやった 「………」 まなの柔らかい髪の毛を優しくなでる 腕の中に慣れ親しんだ温かいぬくもりと柔らかさが戻ってきて目頭が熱かった ………まな… まなを強く抱きしめる それに答えるようにまなも強くオレに抱きついてきた 温かい…心地いい… ボタンが散らばったベットの上でしばらく二人でそうしていた すんすんとまなの鼻の鳴る音と窓の外から聞こえる生徒の声をぼんやりと聞いて幸せやな…って思った まなを抱きしめているのになんだか現実味がなくてまなの体を確かめるように摩った そのまま口を開く 「………合格わかってから家探し以外でもあっちの方にいてん…」 「………」 「入学の手続きとかな?ほかにもいろいろ忙しくて連絡できひんくて…そのあと部屋探しの時はさっき言ったけどスマホ忘れて行っちゃってたんよ…」 「……ぐす…」 「ごめん…ほんと心配かけたな…」 ううんっとまなは顔をオレの肩に擦り付けるように首を横に振った 他にもまだまだいうべきことがあった 「…T大……行こうと思ったのはな…?……オレずっとまなといたいねん…」 「………?」 「大学とか…そういう話や無くてな?その先もずっと…おじいちゃんになるまで…まなと一緒がええねん…」 「………」 「…まながええよって言うならまなと結婚やってしたい…日本じゃまだ無理やから海外に行ってでもしたい…」 「………」 「でもな?それにはどうしてもお金がいるんよ…たっくさんな?まなに不自由な思いもさせたくないし…」 「………」 「せやからT大に行く…海外でもな?できる仕事の資格が取れるねん…給料もええらしいから……まなにもええとおもったんよ…」 「………」 「説明すんの…おそくなってごめんな…?」 そう言ってまなの頭にキスをした ほんとはまなにT大に行きたいって話をしたときに言うべきことやった… そしたらきっと…もっと違ったかもしれない… 「…ッグズ…ばか…早く言えよ…」 「ははっ、ごめん」 「………」 やっと顔を上げたまなの頭を再度撫でる まなの目の端にはまだ涙の粒が残っていた 「……ん…」 「………」 ちゅっと目の端にそっとキスした かわええわぁ… それからまなの体を支えて再度ベットの上に座りなおした まなはぴったりとオレの体に自分の体を寄せたまま離れようとしなかった 「……まな…?」 「……ん…?」 「あんな、まだ渡すものがあんねん…」 「……?」

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