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お風呂
「………ッン…ふぁ…あふ…………ん……?」
次に目を覚ますと銀はもういなかった
時計を見るとさっき目を覚ましてから1時間も経っていない
二度寝してしまったみたいだった
「……ん…」
のそっと体を起こしてみると腰が痛んだ
なんだか尻に違和感もある
周りを見回してみたけど銀の姿はなかった
いい匂いがするからきっとご飯を作ってくれてるんだと思う
………立てるかな……
そう思ってそっと足を床につけたとき廊下から足音が近づいてきて部屋の入口から銀が顔をのぞかせた
さっき寝ぼけてたとはいえあんな風な事思った後だったからなんだか気恥ずかしいような気まずいような気分になる
やっぱり…寂しい、んだな……
銀からふいっと視線をそらしてしまった
そんな俺を銀がやさしそうな表情で見ていたことを俺は知らない
そして銀はすぐに普段の表情に戻るとこっちに歩いてきながら声をかけてきた
自分が全裸で腰回りに毛布が落ちているだけなことに気付いて焦ってそれを引き上げる
「…まーな、おはよ?久々やったし体痛いやろ?呼んでくれたらええのに」
「……うん…おはよう…」
「あら?ご機嫌斜めなん?おなか痛い?」
「痛くはない…けど…」
銀は俺の隣に腰を下ろすと俺を自分の体に寄りかからせ楽なようにしてくれた
腰の痛みが軽くなって思わずホッと息をつく
「大丈夫?もうちょっとしたらお風呂溜まるからそしたらお風呂行こうな~、ご飯も準備しとるからお風呂あがったら食べよ?お腹減ったやろ?」
「………」
銀がそう尋ねると俺の腹がくぅっと音を立てた
恥ずかしくて顔が熱くなってけれど銀はニコニコして俺の腹を摩るだけだ
銀の手は大きくてあったかくて気持ちがいい
しばらくそうしてると強張った気持ちが少しだけ楽になった
それと同時にお風呂が沸いたアナウンスが聞こえてくる
「ん、お風呂溜まったって、はいろか?」
銀はそう言うと俺の返事を聞かずに俺を毛布ごと抱き上げるとお風呂場に運び風呂に入れてくれた
銀が中のものを掻き出してくれて体を洗ったり頭を洗ったりと全部丁寧にやってくれた
そして以前と同じように銀の膝の間に座らせられて湯船につかる
暖かいお湯が気持ち良くてまたほっと息を着いた
銀も気持ちよさそうに息を吐いている
「…あー…きもちええ~…」
「………」
「まなとお風呂入るの好きやねん」
銀がにこっと笑ってそう言う
実は俺もなかなか銀と風呂に入るのは嫌いじゃなかった
銀に背中を預けて、浮力に任せて暖かいお湯に浮かんでいると幸せな気持ちになった
「………」
「………」
銀も何も言わず俺も何も言わなかった
銀は俺の肩に顎を乗せじっとしていた
「………きもちええなぁ…まな…」
「………うん……」
その体制のまますこしのぼせかけるまで俺らは風呂に入ってた
その間俺は銀がいなくなるまであと何回こうやって銀と風呂に入れるんだろうと考えていた…
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