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自分の本心
「はぁ~きもちかった~」
「………」
「はいまな、ここすわっとって?今ご飯持ってくるな?」
「…ありがと……」
「ん」
まなの少し湿った髪をクシャクシャと撫でるとまなは嬉しそうな顔をしつつも少し気まずそうだった
きっとさっき言った本心に自分でもとまどっとるんや…
なんだかそんな事に戸惑うまなが可愛かった
付き合うとる奴が遠くに行くってなったら自然な感情やと思うけどまなはその感情はオレにとって負担になると思うとる
だからその感情をきっと殺して…殺しきれたとおもっとるんやろう…
やからこんな困ったような顔をしとるんや…
フライパンを揺すって米に味をまんべんなくいきわたらせながら炒める
一通り火が通ったらそれをお皿に盛りつけた
皿の上にのったチャーハンからほかほかと湯気が立ち上っている
それをまなの前まで持っていく
一緒にグラスに入った緑茶も出した
まなが『?』っと首をかしげてこっちを見上げた
まなも覚えてるんやな…
「…これ……」
「……ん…今回も何も入っとらんで?」
まなに出したのはオレがまなに初めてふるまった料理やった
オレの歓迎会で酔っぱらって眠ったまなを家に連れ帰ってそこでまあいろいろあってまなに出した
まなはそっとスプーンですくって食べ始めた
前まなにふるまった時と同じようにまなの目の前の席に座ってまなが食べる様子を眺める
前の時、まなは意地でもおいしいって顔はしないって感じでむっつり食べとったけど、今はおいしそうな顔で食べてくれるようになった
ちょっとはオレが『特別』になったってうぬぼれてもええよな?
そう思うとなんだか嬉しかった
「……まなおいしい?」
「………ん…」
「ふふっ、そらよかったわぁ」
まなはもくもくとチャーハンを食べ進める
なんだか眉毛が下がった懐かしそうな表情をしとった
その時まなの頬にくっついた米粒に気が付いた
………ふふっ…こんなんまで…わざとなんやろか…?
まぁ、わざとでもわざとじゃないとしてもとったるけど…
「ん、まな…ついとる…」
「ッ!!」
もちろんこれも依然と同じように摘まんで自分の口に運んだ
まなは驚いた顔をして目をぱちぱちさせた
無意識やったらしい…
でも…
「………ッ…っふ…うぅ…」
「………」
突然まなの驚いた顔がゆがんだかと思うとまなはぽろぽろと泣きだしてしまった
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