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内緒の気持ち

「…ッ…っふぇ…うぇ…」 「……まな…」 急にぽろぽろ涙を流し始めたまなの頬に手を伸ばして涙を救ってやる 「……まなどしたん?」 「…ッ…う…ッン…ちが…う…」 まなは喘ぐように息を吸いながら違うと首を横に振る 今度は立ち上がってまなの座る席の隣まで行った 震えながらスプーンを握ってるまなの手からスプーンを取って机の上に置き手を繋いで声をかける まなに左手の指輪にオレの指先が触れるとまなはびくっと体を震わせた まなはきゅっと弱弱しい力で握りかえして来る 「まーな?…大丈夫?」 「……っうぇ…っん…」 「おいでまな、こっちでお話ししよ?」 そう言うとまなは遠慮がちに頷いてオレについてきた ソファにまなを座らせその隣にオレも腰を下ろし再度涙を掬ってやる でもまなの涙は止まらなかった まながなんで泣きだしたのかはわからんかったけれどでもなぜかビックリはしなかった… 実はなんだかほっとした… オレの前で我慢なんてせんでもええのに… 「まーな…」 「あっ…!!あ…ぅ…」 まなの体に腕をまわして抱き寄せてやる まなは驚いたような声を出したけど抵抗はしなかった それどころかきゅっとオレの服を掴んで顔をオレの肩に押し付けてくる ぽんぽん頭を撫でてやるとより体を押し付けてきた それからしばらくまなが落ち着くまでそうやっといてやるとまなは顔を上げてぐじっと鼻をすすった 赤い目でこっちを見上げる 「…大丈夫?」 「………う、ん…」 まなは恥ずかしくなったのか少しだけオレの体を押してオレとの距離を取ろうとした もちろん許さんけど… そのまままなの顔に顔を寄せる 「なぁまな?どしたん?」 「…う…なんでもな…」 「嘘」 「う…」 「まな、こっちみて?」 「………」 まなはおずおずと目を合わせた

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