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リアルな感覚

「あっ!!銀と学だ!!おそい~!!」 「お~健斗久しぶり、受かったんやってな?おめでとう」 「ありがと!!銀もおめでと!!」 銀がゲートの前から走ってきた健斗の頭をポンポン撫でる 身長差がひどいからとても同い年には見えない… 健斗は俺らが手を繋いでることに気付いて『へへっ』っと自分の事のように笑ってくれた そして 「兄貴~!!学さん!!お久しぶりッス!!」 「あぁ…揚羽…」 「若葉ッス!!兄貴のお見送りに来たッス!!」 「んーありがとお…」 ばばーっと走って若葉ちゃんもやってきた 健斗と同じく銀の見送りに来てくれたらしい 手には『スピカおばさんのクッキー』と書かれた紙袋を持っている 後ろからは心底疲れた顔をした猛も歩いてきた 「お~ムッツリスケベ、元気?」 「ムッツリスケベじゃないです、あと今日はどっかのオープンスケベのせいで元気じゃありませんが明日からそのオープンスケベがいないおかげで元気になれそうです…」 「えーそんな事言うて…ホントは寂…」 「寂しくないです」 「…そんな食い気味で言わなくてもええやん……」 ちぇーっと銀が嬉しそうに言うとちょうど銀のスマホがなった 銀がその音に反応してスマホを開く 届いたのはメールみたいだった 「メールや、ちょっと待ってな…」 銀がスマホを慣れた手つきで操作する そうして開かれたメールには上から下まで字がびっしり書かれていて下に何度スクロールしても終わりにたどり着かなかった… しかもそんなメールが2通… 銀も顔をしかめている 「………兄貴と志波や…ええわ…」 銀はそう言ってスマホを閉じた 確実に最後まで読んではいない…まぁ俺でも最後まで読もうとは思わないけど… 「いや~でもみんな来てくれて嬉しいなぁ…」 「おれらだけじゃないよ?ほら…」 そう言って健斗が指差した方向を見るとそこには… 「さ、桜井さん!?」 「あっ、あ…す、す…杉田、くん…お、おは…よ…」 「え、あ…こ、こんにちは…」 「あっ!!こ、ここ…こ、こんにち、は…」 顔を真っ赤にしてぎこちなく頭を下げる桜井さんとその隣に立つ桜井さんの友達の久遠さん、そして藻府が立ってた 桜井さんはいつも通りおろおろしていて、藻府はいつもみたいな明るい調子じゃなくしどろもどろしている 「え~ちづちゃん来てくれたん?うれしーわぁ…」 銀が目を細め、フッと笑って桜井さんの顔を覗き込むように腰を折ってそう言った ………銀はそうやって色気をダダ漏れにして、桜井さんの反応を楽しんでるんだ…質が悪い… 銀の腹を軽く小突く 桜井さんは案の定顔から煙が出そうなぐらい顔を真っ赤にして口をハクハクさせていた 「あっ、あああ、あのっ…ぴ、ぴんくの…あ、えと…ピンクの人じゃなくて…ちがくて…」 「……頬付…」 「そ、そうっ!!ほ…ほ、頬付、君…にい、いっぱいお世話になった…から…」 桜井さんは隣に立つ久遠さんにフォローされながらそう言った ……なんか…銀って…人気者だよな… なんだかまた急に寂しいような…銀が遠くに行ってしまうっていうリアルな感覚に襲われた

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