1006 / 1015

ずっと一緒

まだ行かないといけない時間ではないけどゆっくりのんびりできる時間もない 猛の肩をぽんぽんっと叩いて周りを見回すと少し離れたとこになんだか不安そうな顔でこっちを見ているまながいた 待たせて心細くさせたのかもしらん まなに両手を広げて見せる 「まーなっ?ほら、最後。まなの番やで、おいで?」 「………」 ちづちゃんたちもおるし、人もいっぱいおるから恥ずかしがって来てくれないか… まぁしゃあないかぁ~と思って力を抜いてまなからのツッコミを待っとったらドンッと予想以上に大きな衝撃が胸に来てよろけた ふわっと慣れ親しんだせっけんみたいないい匂いがした 見るとまなが自分からオレの首に腕をまわしてしがみついている 後ろでちづちゃんたちがハッと息を飲む音も聞こえたし、通りすがりの人たちがひそひそ話したりする声も聞こえていたけどまなはじっとオレに抱き着いていた きゅうっと腕に力を込めている 「……まな…ええの?」 「……銀が来いって言った…」 「まぁ、そうなんやけど…」 「…………いい…」 まなは離れようとはしないもののやっぱり少し恥ずかしくはあったのかパーカーのフードをかぶってオレの肩に顔を押し付けていた 声が少し涙声なのが気になった まなからのお許しも出たところで腕をまなの腰の後ろに回して、まなの頭に頬ずりする 正直まながこんないろんな人に見られる場所で、こんなことするのを許してくれると思わなかったから嬉しかった 「ふふー…まなや…」 「……当たり前だろ…」 「……うん…」 いつまでもこうしていたかったけどそういう訳にも行かない ゆっくりと口を開いた 「……あー…二年間…あっという間やったなぁ…」 「………」 「もっといっぱいまなに触って、もっといっぱいお話ししたかったなぁ…」 「………ッ…」 そう言うとまなはオレにより体を押し付けてきた 「まな…大学でちゃんと友達作るんやで…」 「………」 「勉強して、遊んで、ちゃんと元気でいて?あとちゃんとオレに電話して、辛い時は辛いって言って…?約束…」 「………」 まなはうんっと首を縦に振った 「たまに帰って来るから、そしたら一緒においしい物食べてお話ししよ?どっか一緒に行ってもええし…せやせや、旅行も行くんやった…待っとって…」 「………」 「大丈夫、4年なんてきっとあっという間やから………そんでその4年が終わったら………ずーっと一緒にいよ?」 「!!」 ぎゅうっとまなを抱きしめるとまなも強く抱きしめ返してくれた

ともだちにシェアしよう!