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脅迫と約束と取引

ゆっくりとしか進まない銀を引っ張って廊下を歩く もうそれなりに生徒も登校してきていてあと30分もしたら授業が始まる できるだけ人に見られたくない 「なぁ~まな、どこ行くん?」 「うるさい!!まなって言うな!!」 「こわ~」 そんな事微塵も感じさせないような顔色で言う ホント腹立つ… 俺はそのまま銀を引っ張って階段の裏に連れて行った 基本物置と化してて誰も来ない 「お前人前でああいうこと言うのやめろよ!!」 「ああいうことって?」 「だから!!………………き、キス、したとか…してないとか…そういうのだよ……」 恥ずかしくなって声がどんどん小さくなっていく 「じゃあやるのはええの?人前やなかったらええの?」 「い、いいわけないだろ!!ていうかそういうことするな!!」 「じゃあ写真と動画…」 「わああああああああああ!!!!」 ハッとして口を押える 誰かに聞かれるのは困る 「いややわ、だってまなオレとの約束破ろうとするのに…」 「………あれは約束じゃない、脅迫だ…」 「どっちでも同じようなもんやろ」 そんなことあってたまるか… 「じゃあまなもオレの事脅迫したらええやん」 「………っぐ…」 俺がそんなコトできる材料がないのを知ってて言ってるんだ… くっそ…ニヤニヤしやがって 「じゃあ取引しようや」 「……取引?」 完全に会話が銀のペースで進んでいるがわずかな期待を持って顔を上げ銀を見る 銀は近くにある机に寄りかかっている 「まなからちゅーしてくれたらもうしない」 「!?!?」 「どうする?」 もうしないと言うんだから是非そうしてもらいたいが要求が恥ずかしすぎる… 男の銀に学校で自分からキスするなんて死んでもしたくない 「………………」 「早く決めんと授業始まるで?」 でも健斗や学校の奴らに知られるのは困る………… 「………………もうしないんだな」 「取引やからな」 「……………………………目…閉じてろ…」 フフッと笑って目を閉じた銀に近づく 周りにばらされるのだけはどうしても避けたい… ごくっとつばを飲み込む 「~~~~~~~~~~~~~~~ッ」 長い時間をかけてやっとそっと触れるだけのキスをした 触れたことを確認して急いで唇を離す 「?……んぅ!?!?~~~~~~~~ッ!!!!!」 離そうとした瞬間銀が右手を後頭部に回して再度唇を押し付けてきた そのまま舌を入れられて口内をまさぐられる 歯列をなぞり内壁を擦って舌をつついたり絡めたりする 「うぁ…っん……っふ、ふぁ……」 頭に酸素がいかなくなってボーっとして腰が抜ける そんな俺の腰を支えて角度を変え銀は何度も深いキスをする 「…まな、息すんの下手やなぁ…」 最後に銀は頭にチュッとキスをして俺を解放した 支えを失ってその場にガクッと崩れ落ちる 「ごちそーさん、取引やしもうせんよ………人前ではな」 ニヤッと笑って銀が言う はめられた!? 「急がんと、あと5分で授業始まるで」 銀は俺を置いたままさっさと戻って行ってしまった 「くっそ…おぼえてろ…あのやろ…」 息を整え口の端を伝うよだれを拭う、ドキドキし続けている心臓を落ち着かせる 銀に苛立ってるだけでなくそれで反応を示してしまっている自身の下半身にも腹が立った

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