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見た見てない
…俺は今銀の家にいる
学校近くの駅までは健斗も一緒に帰った
ホントは健斗の家は電車で俺の家と同じ方向に1駅だがあくまで身長を気にする健斗は毎日駅から線路脇を走って登下校している、電車賃もお小遣いからなので節約の意味もあるとか…
で再度図にすると…
俺の家、(間2駅)、健斗の家、学校、(間1駅)、銀の家
になる
「まな、はさみとって」
「まなって呼ぶな…」
俺は今ホントに引っ越し荷物の後片付けを手伝わされてる
てっきりこのあいだみたいなことをされると思ってた…
「期待した?」
チラッと銀の方を見ると視線が合ってしまった
銀が心を見透かしたようにニヤッと笑って言う
今日気が付いたが銀はこの笑い方を俺にしかしない
当たり前のように体にゾワッっとした感覚が走る
「フフッ…冗談やって、はさみもう一個とってくるわ、まな荷物空けといて」
銀は俺の頭をぽんぽん叩いてドアから出て行った
からかわれたことに腹が立ってヤケになって片っ端からダンボールを開けて行く
それにしても荷物が少ない…
いくら一人だと言っても少なすぎる
銀はまだ前の学校の制服を着ていた、身長が高いのに細く手足が長いのでわざわざ注文して作ってもらってるらしい
まだもう少しかかると言ってた
そんな前の学校の制服が二組とワイシャツが4枚、前の学校のジャージと下着や靴下が何組か、私服は何枚かのTシャツとジーンズ1本に部屋着と思われるジャージが3本
服はそれしか見当たらなかった
後は本や教科書、時計やノートなどの日用雑貨がほとんどだった
「ん?なんだこれ?」
他のダンボールより一回り小さい箱を見つけてその箱を引き寄せる
はさみでガムテープを割いて箱を開ける
「…………っい!?」
中を見て顔がカッと熱くなるのがわかった
そこに入ってたものは「大人のおもちゃ」と呼ばれる物だった
本物を見たのは初めてでおそるおそる手に取ってみる
「……………なんであいつこんなのもってんの…」
「まな?」
熱くなった顔から熱が引いて今度はどんどん冷たくなっていく
焦ってがしゃんと大きな音を立てて手に取ったものを箱の中に戻してしまう
銀が近づいてくる
「まーな?」
「………………」
「コレ、見たん?」
銀が正座で座っている俺に後ろから抱きつく
体がビクッと揺れる、耳に銀の息がかかってぞわぞわする
「なぁ…見たん?」
「………」
「まな?答えて?」
チュッと耳にキスをして銀が言う
俺はやっとのことで首をゆるゆると横に振った
わかりきった嘘だけど見たなんて言えるわけがない
「…ふ~ん…見てないんや?」
「…………」
「黙ってないでなんか言いや」
「…見て、ない…」
声が震える
「っそ…じゃこっちおいで、一緒に見よや」
「ッ!?」
「ほら、はよ」
銀は一度手をほどくとそのままベットに腰かけた
くっそ…そう来たか…
銀手にあの箱を持ってベットに腰かけ手でおいでおいでと俺を呼ぶ
あのやろ、イキイキしやがって…
「別にまながそこでがええならそこででもええんよ?ただ痛いんやないかな~と思って」
「…………ッく…」
いやいや俺は腰を上げゆっくりと銀がいるベットまで歩いて行った
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