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別に好きじゃない
教室に戻ると銀はいなかった
健斗に聞いたら早退したらしい
ちなみに健斗は俺の前の席だ
「学なんか元気ないね?」
「…そんなことない…けど…」
「昼ご飯も全然食べて無いじゃん、食べないならそれ頂戴」
「………」
返事を待たずに健斗が俺の食いかけのパンを持っていく
あんまり食欲ないからいいんだけど…
「……ほんとにどうしたの?」
「…………」
「学?」
「…あのさ…」
こうして俺は健斗に話した
まぁ相手は銀だとも男だとも言ってないけど…
「じゃあ、体だけの関係でそういうことするのが嫌だったんだけどじゃあいいってなったとたんになんか元気が出ない、と…」
「…別に…ヤってないけど…まぁ…大体あってる…」
「好きじゃん、それ」
「好きじゃない!!」
カッと顔が熱くなって声がでかくなる
運よく周りに人がいなかったので助かったけど…
「なぁそれってもしかしてさ銀?」
「………ッ!?!?………いや、ち、がう……」
「銀なんだ」
「……………」
何でこいつはこんな時だけ鋭いんだ…
「それ絶対学銀のこと好きなんだよ」
「……………」
「銀に言おうよ‼︎」
「………ムリ…」
「えぇ〜‼︎言おうよ‼︎い〜お〜う〜よ〜‼︎」
くっそ、自分だって彼女とかいたことないくせに…
「………おまえ背縮め…」
「なんで!?」
俺、銀のこと好きなのか…
………そんなこと…ない…はず……
だって…かわいいとか言うし、全部わかったようないいかたするし、まなとか呼ぶし…
頭の中で銀が「まな」って呼ぶ声が再生される
「…ッ!?」
ダメだ…熱い…おかしい…
俺はそのまま机につっぷしてた
俺は銀なんて好きじゃない…
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