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おねがい

「あ…の……翔さん?」 「……………」 あんまりにも翔さんがうつむいたまま動かないから近づいて手を伸ばした ……どうしよう…怒ったかな………俺なんで突き飛ばしちゃったんだろう… 「うあっ…!!」 そしたらその腕を強く引かれて気づいたら翔さんの胸の中で痛いくらい抱きしめられていた 「え…あの、翔さん?」 「………………でよ…」 「え?」 「……頬付クンなんかよりオレ選んでよ…」 「………え…」 翔さんが苦しそうに絞り出すように言う グッと翔さんの腕に籠る力が強くなる 「……もうあんなこと絶対しないし…また頬付クンからどんなひどい報復を受けたって良い、絶対泣かせないしいつも一緒にいてあげる、たばこだって酒だってやめるし髪も黒くする、学校もちゃんと行って勉強してちゃんと稼げるようになる、セックスだってキスだって学が嫌って言うなら絶対しない…だから…」 「………」 「好きになってもらえるように頑張るから…チャンス頂戴よ…オレを選んで……」 「………」 「……好き、大好き…」 「………」 「……おねがい…」 最後の方はもう声がかすれててほとんど聞こえなかった、翔さんの顔は見えない でも翔さんの腕はずっと小刻みに震えて心臓も小さくでも早く脈打っていた こんなに真剣に告白されたのは初めてだった ……………いいかもなぁ… 翔さんの胸の音を聞いて翔さんの体温を肌で感じながら思った 翔さん、優しいし大人だし誠実そうだし…きっと付き合ったら大事にしてくれるんだろうなぁ 俺の言うこともちゃんと聞いてくれて、ヤるときも優しくしてくれて、いっぱいいっぱい好きって言ってくれて…… 銀の顔と声が頭に浮かんだ… ……知らない…銀なんて…好きって言ってくれないし、意地悪だし、俺の意見なんて全然聞いてくれないし、ワガママだし、全部知ってるみたいな口利くし…………でも… …………でも……………………………好きだったなぁ……… いつの間にか涙が止まらなくなってた 先輩の胸に顔を押し付ける ………苦しい………このまま銀を好きでいるのは…俺には苦しすぎる……… 好きだけど…大好きだけど…またあんな辛い思いしたくない、あんな胸が張り裂けるような痛みを感じたくない 「……わかり…ました…」 「………」 「……いい、ですよ」 「………」 「……先輩の…翔さんのこと、好きになって見せます…」

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