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関わる理由
次の日俺は健斗と一緒に歩いて学校まで行った
俺のバッグは机の横にかかったままだった
その中から昨日返すつもりで持って来た銀の服を取り出す
「……………」
気づいたら少し前の事を思い出してまた悲しい気持ちになってしまってた
あわててその服を銀の机の中に押し込む
………これでいいんだ…手渡しで返されてもあっちだって迷惑だろうし…
もうこれで銀と関わる理由はなくなってしまった
わかってしたことだけど少し気持ちが沈む
そんな時スマホが鳴った
翔さんからのメールだった
『おはよー ̄O ̄)ノ
学校頑張ってね(o^-')b☆
今日はオレ授業午前中しかないんだよね
だから、もしよかったらなんだけど今日迎えに行ってもいい?(゚_。)?(。_゚)?』
………顔文字…
思わず笑ってしまう、少し気分が軽くなる
『おはようございます
わかりました
4時ぐらいに来てもらえればちょうどいいと思います』
一瞬自分も顔文字とか使った方がよかったかと考えるけどそのまま送信する
銀に見られるかなって思ったけど別にもう見られたって関係なかった
すぐに返信が帰って来た
『りょーかーい☆
じゃあ駐車場のとこで待ってるねy(^ー^)yピース!!』
そのまま授業が始まるまでずっと翔さんとメールしてた
銀は今日も朝は教室に入ってこなかった
銀が教室に入ってきたのは2限目の途中だった
きっつい女物の香水においを振りまいて後ろの扉からふら~っと入ってきてそのまま席につこうと椅子を引いた
途中で銀の動きが止まる
………俺の入れた服見つけたんだ…
銀の視線を感じる
それを無視し続けてると銀はそのまま席に座って窓の方に顔を向けて寝はじめた
……どう思ったかな…まぁ別に俺にはもう関係ないけど…
そのまま4限が終わって女子が銀を呼びに来るまで銀は起きなかった
「学さん今日元気ッスね…」
「……そう?」
「頬付先輩と仲直りしたんスか?」
「あ…」
健斗が困った顔をして俺と猛を交互に見ている
仕方がない…猛は知らないんだから
「銀とは…元からなにもなかったし…」
「?」
猛は頭に「?」をたくさん浮かべてる
でもそれを気づかないフリをしてそのまま昼のパンを食べ続けた
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