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デート

「翔さん車持ってたんですね…」 「ん~まぁ中古だけどね~」 翔さんの車は煙草の匂いがした 「今日この後用事とかある?」 「いや、ないです」 「じゃ、付き合って」 …………デートだ… 初めてデートなんてするからドキドキした ……女の子とすらしたことない…銀ともそういうのなかったし… 「う~ん…どうしよっかな~…あ、なんか食べに行こっか」 「いいですよ」 「…………あ、学ちょっと手貸して?」 「………?」 良くわかんなかったけどとりあえず右手を翔さんの方に出す その手は翔さんは左手で握られた 「……!?」 「恋人つなぎ」 翔さんがニコッと笑ってこっちを見てる 指を絡ませられて優しく握りこまれてちょっと気恥しくなる 翔さんの手はあったかくてて気持ち良かった そのまま目的地に到着するまで手はつないだままだった その後二人でファミレスに入って晩御飯食べて翔さんは家に帰してくれた 決して豪華なデートではなかったし翔さんもそれを恥じるような言い方をしてたけど翔さんはずっとニコニコして俺の話を聞いてくれたしいろいろ話してくれた 翔さんと一緒のいるのは楽しくてラクだった 「ありがとうございました!楽しかったです」 「良かった、オレも楽しかったよ~」 翔さんは断ったのに家まで俺を送ってくれた 「また行こうよ?今度は朝から行ってもっと遠くいっても良いし…今度はもっと豪華なデートできるように頑張るからさ!」 「はい!!」 優しいなぁ~ いまからその時のことを考えてわくわくした 「じゃあ、今日は本当にありがとうございました!!」 「……………学」 「………!?」 あまり引き留めるのも悪いと思って家に入ろうと思ったら翔さんに腕を引かれた 翔さんの顔が近づいてくる 思わずビクッと体を堅くしてしまう すると翔さんの唇が一度硬く引き結ばれてから軌道を変えておでこに振ってきた ……よ、よかった… ………なんでホッとしてるんだ…? 「……またね」 「………あ、はい」 翔さんはそのまま車に乗って帰って行った

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