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愛を込めて

「……オレは頬付クンには勝てない…」 「……え…」 痛かった 一言学に言うたびに胸に一本づつ針を刺されてるみたいだった 学は頬付クンが好き、頬付クンも学が好き…でもオレだって学が好き、大好き… ほんとは初め再開してここにきてキスを拒まれたときに学は頬付クンのことが大好きで忘れられないことはわかってたんだ… でもそんなの悔しくて、切なくて気づかないフリをしてた オレだって自分に嘘をつき続けた でもそんなの良くない… 学が楽になれるように利用してくれたらいいなんて偽善的な事を考えてたけど、結局はオレが学と一緒にいたいだけ…学を離したくないだけだった… ………ちゃんと、教えてあげないと…オレはよくわかってる…… でも学にそれを言うのは思ってた以上に苦しくて痛くて辛かった 最後だけと思ってキスして、キスして、キスして…それで最後なんだなぁ…って覚悟を決めたら押し隠してたものが涙と一緒になって溢れてきて止まらなかった かっこわる……こんなに学に縋って、大泣きして、声だってかすれて小さくて… それでも何とか言った …………好きだよ…愛してるよ…ほんとは行かないでって言って縋って、頬付クンなんて見ないでオレだけを見てって言いたいよ…ずっと一緒にいてほしいよ… でも好きだから…愛してるから…学には幸せになってもらいたいなぁ… ベタだし、くさいけどほんとだよ… ほんとに苦しくてどうしようもなく辛くて目の前が真っ暗になりそうだったけどきっと笑って言えた 好き…大好き…学が送る飾り気のないメールも、柔らかくて握るとホッとする手も、なかなか素直になってくれないとこも、弱って泣いてどうしようもなくなってやっと人に頼るとこも……全部…全部… 顔も涙でぐしゃぐしゃで目も赤くてダサかったかもしれないけど少しでも学にかっこいいと思って欲しかった 最後ぐらいカッコいいお兄さんでいたかった 痛いなぁ…好きな人と別れるのってこんなにくるしいんだなぁ……学、オレと一緒で少しでも楽しかったかなぁ…オレは今まで生きてきた中で一番幸せだったなぁ…学も…そうだといいなぁ… 溢れてくる涙も思いも止まらなかった 「……オレと付き合ってくれてありがとう…学…」

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