94 / 1015
覚悟
次の日
いつも通りに起きて、いつも通りに寝癖を直して、いつも通りに朝ごはんを食べて、いつも通りに家を出た
いつも通りの電車に乗って、いつも通り学校へ行く
「おはよう」
「あ!!学!!!おはよ!!
昨日どうしたの?朝銀と出てってから戻ってこなかったじゃん」
「……ちょっとね、ところでさ、銀どこか知らない?」
「銀?知らない…けど…」
健斗が不安そうな顔をする
「…そっか…探してみるわ」
「……………うん…」
「………大丈夫だよ…」
健斗に笑いかけてから教室を出た…
いろんな人とすれ違う
中には銀の話をしてる女子もいた
「もぉ!!頬付くんったらっ!!」
「え~もも頬付君と良い感じとか言ってなかった?」
「そうそう、ちゅーしたとか言ってたじゃん?」
「知らない!!保健室で寝てたから一緒に寝ちゃおって思ったら「うっさいねん、出てけや」だって!!」
「ま~たももがべたべたしまくったんじゃないの?」
「違う!!」
「でも頬付クンあれみたいですよ、来る者拒まず去る者追わず?」
「うわ~さすがイケメンはやること違うね、あ、でも4組の悠里、頬付君と保健室でヤったって言ってた
っま、私はそんな感じでもぜんぜんオッケーだけど~頬付君うまそうだし~」
「いろいろ噂ありますよね~、5組の柿園さんともヤったって聞いたし、1年の稲垣さんや3年の笹先輩とも噂ありましたよね~他にも他校生といたのを見たとか読者モデルと一緒だったとか…あと人妻?とかも…」
「うっわレベルたっか…そりゃももとはヤってくれないわ~」
「違う!!ももはトクベツなの!!」
別に立ち聞きする気はなかったけど聞こえた…
そりゃあんな大きい声で話してたら聞こえるわ…
でもいいことを聞いた…
別にもう銀が誰とキスしてようがヤってようが関係ない
もし…もし俺の事なんて見向きもしてくれなくても関係ない…
こんなんでまた引き返して泣くなんて内海先輩に申し訳なくてできない
言うんだ…言わないと…
そのまま走って保健室に向かう
前の時と同じように保健室の扉の前で深呼吸をしてとってに手をかける
………もし誰かいても関係ない…
グッと手に力を入れてドアを開けた
ともだちにシェアしよう!