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精一杯の告白を

保健室は窓が開いてて風がよく通ってて気持ち良かった 白いカーテンが風になびいてはたはたと揺れている ……誰もいない…? 周りを見回すと先生もまだ来てないみたいだし静かで誰もいないように見えた ……誰かベットにいる… 仕切られたベットに風が吹いて、揺れたカーテンの端から誰かの足がチラッと見えてそっちへ行く 「……………銀……?」 「……………」 返事を聞かずにカーテンの合間を縫ってベットを覗く そこにはネクタイもボタンも外して無防備に色っぽい胸元を見せびらかし、長い体を丁寧に折って眠る銀がいた 長い睫とピンク色の髪が光に透けている ………きれいだなぁ… 思わず銀の髪に手を伸ばして触れる サラサラで心地よかった 「……ん、んー?…」 「……………」 銀がくすぐったそうに声を出す ………寝てたらあんなに意地悪く見えないんだけどなぁ… そう思うと笑みがこぼれた 「………銀…?」 「……………」 銀は寝たまま起きない 「…………好き…」 銀の少し長めの髪に手を埋めたまま続ける 「…………ほんとは嫌いじゃない…」 「………」 「………銀は女の子の方がいいかもしれないけど…俺の事、都合のいいセフレぐらいにしか思って無いかもしれないけど………」 「………」 「………でも大好き…」 言ってて目の前が滲んできた 内海先輩はああ言ってくれたけど…でも…銀はやっぱり俺より女の子の方がいいかもしれない… 銀を起こしてそれを問う勇気はなかった あんなに意気込んできたのに銀を見ただけでその覚悟がしゅるしゅる小さくなっていく気がした 「……好きって言ってくれないし、意地悪だし、俺の意見なんて全然聞いてくれないし、ワガママだし、全部知ってるみたいな口利くけど………でも俺は銀が好き、大好き…」 「………」 「……………俺さ…銀に好きだよって言って欲しかったんだ…」 「………」 「……でもなかなかうまくいかなくて…素直にそう言えなくて…もしかしたら銀は俺の事そんなに好きじゃないのかもって思ったら…」 「………」 「……寂しくなったんだ…」 グッと目元にたまった涙を拭って腰を折って銀の顔に自分の顔を寄せる 「………好き…」 そのまま銀の唇に触れるか触れないかくらいのかすめるようなキスをした

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