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道中

「すごい!!早い!!」 「先輩座ってください!!危ないです!!!」 結局一睡もしないまま集合場所に行ってバスに乗った 目的地の旅館までは結構かかるらしい 窓に顔をくっつけてはしゃいでいる健斗を猛がなだめてる 寝不足…って言うか寝てないから頭がボーっとする 「……な…まな?」 「…あ、ごめん聞いてなかった…」 隣に座ってた銀の声にハッとして顔を向ける 銀はいつもと同じ黒いTシャツにジーンズで来ていた それでも目立っているのが腹立つ さっきから後ろの方に座ってる女子大生の一団もずっと銀を見てる… 「まな、眠いんやろ?さっきからめっちゃ揺れとるで?」 「………大丈夫…」 「嘘、クマもすごいわ」 銀の手が目元を撫でる 思わずビクッとして身を引いてしまう 「…っや、やめろよ…ここバスだぞ…」 「ええやん?べつに」 「っわ…」 そのまま銀に引っ張られて胸に寄りかかる形にさせられる すぐ離れようと思ったのに銀に頭を撫でられてそれが気持ち良くてそのままうつらうつらしてしまう 健斗が騒いでる声が遠のいて行く 「寝ときや、今夜遅くまで起きるんやから」 「……ん…」 目をつぶったらもうふわふわしてきて返事も曖昧になる 銀に頭を撫でられながら俺は心地よく眠りについた

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