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猛の欲
こんな大きい旅館でこんな立派な部屋に泊まるのは初めてだった
オレの家は家族が多すぎてろくに旅行もいけないし、修学旅行なんて小学校の時に動物園の見学に行ったの以外はサボってた、金もバカにならないしな…
だから当初の目的も忘れてそれなりにはしゃいで羽目を外してた
「いやだ!!おれ行かない!!!」
「なんで?せっかくなんやし行こうや、温泉」
「部屋のでいい!!」
頬付先輩の案で浴衣に着替えて温泉に行くことになった、なのになぜか紺庄先輩がそれに大反対している
「先輩せっかくなんだし行きましょうよ」
「いやだよ!!一緒に行きたくない!!」
先輩は学さんの後ろに隠れてしまって頑なに拒む
………一緒に行きたくない……
「俺健斗と待ってるから銀と猛行っておいでよ」
学さんは仕方ないという顔をしている
それよりオレさっきのが結構なダメージになってるんスけど…
オレが勝手に沈んでる間に「せやな」って勝手に納得した頬付先輩がオレを引きずって温泉に向かう
ハッキリ言って頬付先輩と二人で風呂とか死ぬほど行きたくないけどそれを拒絶する元気もなかった
「しょげてもしゃあないやろ?温泉行くで温泉」
「……………」
頬付先輩は温泉を楽しみにしてるらしい……
オレ、温泉どころじゃないんスけど…
「……先輩学さんと一緒じゃなくていいんスか…」
「……?、そんなん部屋の露天の方が都合ええやろ?」
……………聞くんじゃなかった…
ラブラブ具合を見せつけられてさらに落ち込むことになるだけだった
「お~広い広い!!」
「……………」
結局頬付先輩に流されるまま温泉に連れてかれ、挙句に「お前デカいな」なんて言う下ネタな上嫌味にしか聞こえないことを言われてガックリ心疲れして部屋に戻った
部屋に戻ったら紺庄先輩も学さんも浴衣に着替えていて二人でトランプをしてた
紺庄先輩の機嫌も戻っていていつもと変わらなかった
……………浴衣…
紺庄先輩は浴衣のサイズがいまいちあってなくて襟から鎖骨や肩の方の骨や薄い胸元なんかが見え隠れしている
部屋の風呂に入ったらしく頬や裾から除く手足がほんのりピンク色なのもエロかった…
先輩の幼さとエロさが混ざって妖艶で扇情的だった
「………先輩…浴衣…似合ってますね…」
「……猛も似合ってるよ?カッコいいね?」
思わず抱きしめてしまいたくなるけどっぐっと我慢して顔を背ける…
………これ…直視すんのヤバい…
熱が溜まってくる中心を鎮めながら学さんたちの方に目をやるともう頬付先輩がセクハラまがいの事をしてた
仲良いな…と思ってたらいきなり紺庄先輩がオレの膝に乗ってきた
ビックリして固まってしまう
「………あ、の…先輩?」
「……ダメ?」
先輩に上目づかいで見られて思わず理性が飛びそうになる
…ダメだ…かわいい…やばい
顔を背けて必死に耐える
「………ダメ、じゃない、デス…」
耐えろ…耐えろオレ!!
オレの膝に乗ってさらに浴衣のすそを弄っている先輩を直視しないように努力する
さっきからちらちらと細い足が除くたびに何度も押し倒したい衝動に駆られて正直やばい
押し倒して唇を食らってそのまま口内を蹂躙したくなる
そんな危ない気持ちを静めるのに必死だった
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