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一方その頃

「やだよ!!なんで風呂まで一緒に入んなきゃなんないんだよ!!風呂でぐらいゆっくりさせろ!!」 「ええやん、せっかく温泉なんやし」 「せっかく温泉だからだよ!!」 嫌がりながらも結局言うことを聞いてくれるまなと風呂に入ろうとしてた まなはなかなか恥ずかしがって浴衣を脱ごうとしない 「ほら、ヤる時間減るやろ?はよ脱ぎ」 「…っあ、ちょっとやめろよ!!!」 もうしょうがないから無理やり浴衣を引っぺがして風呂に連れて行く 正直昨日は猛見とったしあんまりちゃんとヤれとらん 学はまだこっちをにらんで来てはいるけどもう諦めたっぽい こっちをちらちら見ながらも体を洗っとる、腰にタオル巻いたままやけど… その後もずっと警戒心丸出しで体を洗ってた 先に体を洗い終わったはずなのにまなはこっちを確認してお湯だけかぶり続けてる 「なに?まな、待ってくれとるん?」 「…!?違う!!さっさと風呂入れよ!!」 まながあんまり顔を真っ赤にしてオレを押すもんやから仕方なく先にお湯につかってることにした ちょっと気になって隣の風呂に耳を澄ましてみるけどなにも聞こえん っま、オレはまながヨガって快感に溺れるかわええところが見れればええから別にどうでもええんやけど… しばらくして背後に人の気配を感じて振り返るとまなが立ってた なぜか腰にタオルも巻かずに仁王立ちしてこっちをじーっと見ている 「……?まなも入り?体冷えるで?」 「うんっ!!」 「!?」 まなはなぜかぱぁっと顔を輝かせてオレの膝に乗ってきた しかも向かい合った状態で…隠すものがないから全部丸見えなのに恥ずかしがる様子もない… にこにこ笑って上機嫌でオレの首に腕を回している、おかしい… 「まなどしたん?ご機嫌やん?」 「んー?ふふふ…ぎん?」 「ん?」 「ぎーん?ぎんー?」 「まなほんとにどしたん?」 まなはキャッキャと子供みたいにはしゃいでオレに体をすり寄せる 「ふふーん♪、ぎん好きぃー、だーい好き」 「……?」 「ぎんー?銀も言ってぇー、好きって言ってぇー」 初めはまななりの仕返しかなんかのつもりかと思ってたけどほんとにおかしい まなはこんなに演技が上手い方じゃない きゃーっと子供みたいに笑顔を浮かべたまま学がオレの肩に頭を擦りつけて好きだと連呼している ふわっとまなの髪から何かのにおいがした あ…そう言えばここの温泉の石鹸… 首だけ巡らせてシャワーなんかが備え付けてあるところの石鹸を見る そこには「酒粕石鹸」と書いてた 酒粕…酒… もう一度まなの髪に鼻を近づけて匂いを嗅いでみると確かにほんのり酒の匂いがした 「ねぇー好きぃ?ぎん俺のことすきぃー?」 挙句にオレの首に顔を擦りつけ始めた ………まなもう勃っとるし… しかもそれを隠すそぶりもなくオレの腹に擦りつけてる 「やぁ…ぎんー好きでしょー好きって言ってよぅ……」 さっきまで機嫌よく笑ってたと思ったら今度はいきなりめそめそ泣きだした まな…石鹸の匂いだけで酔ったんや…

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