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秋です

夏休みも終わって少しづつ暑さもやわらいでもう秋と呼んでもいいぐらいになってきた もう夕方なんかは肌寒い 「~というテーマで今年の文化祭はやっていくことになりましたーそこでうちのクラスはー……」 教卓に立って学級委員の奴が今年の文化祭理念やらテーマやらをしゃべっている 誰も聞いてないけど…っていうかそもそも委員の奴だってやる気なさそうだけど… そう、もうすぐ文化祭の時期になる まだ1ヶ月ちょっと先だけどこの時期から話し合いは始まる ラクな役回りならなんでもいい… 「ねぇねぇ、学は教室企画と舞台企画どっちがいい?おれは去年舞台企画だったから教室企画がいいなぁ~食べ物屋さんやりたい!!」 「俺は楽ならどっちでもいいや…」 「え~またそう言うこと言う…ねぇ、銀は?銀はどっちがいい?」 「ん~オレもどっちでもええなぁ~」 「え~」 健斗はこういうイベントが好きだから毎年わくわくしてた 「あ、猛のクラスは教室企画だって、休憩時間一緒だったら一緒に回ろ!!」 スマホの画面を見せながら嬉しそうに健斗が言う 猛は健斗に言われてからちゃんと授業に出るようになったらしい もともと成績もいいし基本自分の席に座って寝てるらしいけど一つも授業に出ない時と比べたら相当な進歩だと思う 「~ではーこの中から決めようと思いまーす」 ボーっとしてる間に話が進んでたらしい 黒板には「縁日」「劇」「ミュージカル」「カフェ」…と当たり障りのない物が書かれている 「あ、おれカフェ!!カフェがいい!!カフェにしよう!!」 健斗が立ち上がって進言する 元気だなこいつ…俺は自分からそんな周りの注目を浴びに行くなんて絶対したくない… 「多数決だぞ~紺庄~」 「え~食べ物屋さんやりたい~」 「あ、でも健斗くんウェイトレスやったら人たくさんきそうだよね~」 「おー頬付にウェイターやらせた方が来るだろ~」 「「「お~!!!」」」 クラスの空気は完全にカフェになってしまっていた まぁ俺は裏方やればいいからなんでもいいけど…

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