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人気のない廊下のつきあたりと言えば…

金髪の先輩について行った先は一年の教室がある1回の廊下の一番端だった 廊下のつきあたりなことと物置しかないこともあって人気がない …ヤダな… でも先輩一人っぽいしうまくいけばばれずにやれるかな… ボーっと先輩を見てたら先輩はもじもじしだした え…なにそれ… 「え、っと…俺3‐1の鈴木龍之介って言うんだけど…その…」 え…なにこれ… 「…あの……その…」 んん!? え、これほんと何? こういうのって頬付先輩の立ち位置でしょう? どっちにしろオレは頬付先輩みたいにそっち方面に器用じゃないし、紺庄先輩にやきもちを焼かせたいとかそう言う願望はな………くはないかもしれない……けど… でも二股かけるとかそう言う気は全くない ………いや、この言い方すると頬付先輩に失礼だけど… でもあの人なら「まなは正室、でこっちは側室」とか言い出しそう… ……スンマセン頬付先輩… そうやって一人でモヤモヤして思考が飛んでる間に先輩がもじもじして顔を赤らめたまま口を開いた 「あのっ!!俺達のバンドのボーカルやってくれないかな!!!」 「は?」 先輩は一言切り出したらマシンガンのごとく喋り続けた 「俺ら3年3人と2年1人でR'sって言うバンドやってて、ちょっとライブとかにも出させてもらったりしててこの辺の高校生バンドとしては有名な方だと思うんだけど、今度の学祭の融資企画で体育館のステージ使わせてくれることになって…しかも2日とも!!2日目は12時ライブだし!!」 12時ライブとはこの学校祭の閉祭式の事だ 12時をまたいで一般も含んだ大きな閉祭式をやってその後は各クラスで片づけやら打ち上げの時間にあてられる で、片づけやなんかが済んだ3時に校長の話だとかなんだとかがあるめんどくさい方の生徒限定の閉祭式がある 「で、俺がギター兼ボーカルで、あとベースとドラムとキーボードがいるんだけど、今度せっかく学校の大きいステージでライブさせてもらえるから俺ギターに専念したいんだよね」 「………」 「だからボーカルできそうな人探してたんだ!!」 「……はぁ…」 だめだ…全然話が読めない…なぜオレ… 「前たまたま声聞いた時にさ、良い声だな~って思ってたんだよね!!で吉田さん…あ、吉田雫さんね、が猛君歌もうまいって言ってたからいてもたってもいられなくなっちゃってさ~」 姉貴…… 上手いって言ったってたぶん姉貴が言ってるのはカラオケに引っ張って行かれた時に無理やり歌わされた曲が採点マシーンでたまたま高得点だったって話だ そんな一般的にはどうかなんてわかったもんじゃない、しかもバンドなんて…… 「いや~良かった良かった!!実は俺そんなに歌は上手くないんだよね、ちょっとうまい人っぽく歌ってるって言うか…でもこれで俺もギターに専念できるし、ホントありがとうね!!」 「いや、オレやるって言ってないッスけど…」 「えぇ!?だってやるって顔してたじゃ…」 「してません」 「えぇ~」 先輩はオーバーに廊下にへたり込んだ そんなバンドのボーカルなんて目立つ役回り… 「っや、でもっ!!」 先輩はがばっと立ち上がった 切り替え早いな… 「ほら!!もしかしたら気変わるかもしれないしさ!!考えてみてよ!!コレ俺の連絡先ね、直接3‐1に来てくれてもいいし…とにかく!!考えてみて!!じゃあ!!」 先輩は若干無理やりオレに自分のメアドと電話番号の書かれた紙を握らせてさっさと帰って行ってしまった… まぁ…考えてみてもやる気ないけど… 先輩の連絡先をくしゃっと握りしめてポケットにつっこみオレも教室へ戻った

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