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鈴木先輩の仲直り計画
「はぁ…」
ライブが終わってあのあと放心状態のまま楽器の片づけを手伝った
で今さっきやっと正気に戻った
「おつかれ~」
「………お疲れ様ッス…」
今は音楽室で鈴木先輩たちが大量に買ってきたいろんなクラスの食べ物で一日目の反省会…もとい打ち上げをしてた
でもオレは飲み物以外には手を付けてなかった
「あれ?猛元気なくね?」
「なになに?彼氏ちゃんと修羅場なの?」
「……………」
「え、なに?ほんとに?」
「実は……」
先輩たちに今までの経緯を話した
とりあえず紺庄先輩と付き合うようになったところから全部…
「…………」
「あらら~それはまずいね」
「……まずいッスか…」
彼女持ちの篠田先輩が言う
余計落ち込む
「オレも彼女いるけど初めはバンドに理解無かったから、差し入れとかもらうだけでやきもち妬かれたし、練習で構ってやれないとすぐ私とバンドどっちが大事なの!!って言われたし…」
「………で、どうしたんスか?」
「ん?ヤった」
「は?」
「だからヤったの」
初めは若干イラッと来て押し倒してヤってしまったらしい
でもヤってる間はお互い相手に思ってることを感情的にならずに言えたし、彼女さんも愛してもらえてる実感が湧いたらしくって結果的には良かったと…
それ以来ケンカがヒートアップするととりあえずヤるらしい……最低…
「まぁヤれとは言わないけどさ~お互い感情的になりすぎてるんだよ、今日はとりあえず諦めたら?」
「…………」
「大丈夫だって、猛も彼氏ちゃんもお互いの事嫌いってわけじゃなさそうだし」
「でも先輩に話したくないって言われたんです……」
「それだけで今後ずっと話しかけないつもり?」
「いや…それは…」
自分でもどうしたらいいかわからない
でも先輩にああ言われた以上無理やり捕まえてって言うのも……
「あ、じゃあさ!!こうしようよ!!!」
そう言って鈴木先輩が自慢げにオレと紺庄先輩の仲直り計画を話し出した
「どう?ロマンチックでしょ?」
「っや…でも…先輩それは…」
大胆な作戦内容にみんな苦笑いしてた
早瀬先輩が先輩に異論を言うほどだ
「いいじゃん、いいじゃんリク~」
「や、別に俺は構いませんよ?ただ…」
「やります…」
「へ?」
「お」
早瀬先輩が目を丸くしてこっちを見ている
「っや、でもそれって…」
「良いんです、大丈夫です、やります」
「いいね~男前だね~」
鈴木先輩は楽しそうだった
やらないと…それぐらい…
このまま文化祭が終わってもなぁなぁにし続けるなんてダメだ…
明日…明日ちゃんときめないと…明日…
ぐっと覚悟を決めた
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