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いいかげんにしろよ!!
「いらっしゃいませー!!!」
「いらっ…っしゃい、ませっ!!」
「もう!!杉田硬いってば!!」
「……ゴメン…」
2日目もうちのクラスは大繁盛だった
銀のところに女子の大半が集まり昨日噂の美少女コンちゃんと会えなかった男子が健斗に殺到した
そう言えば猛は来ないんだな…
まぁ健斗とこの状態じゃ来にくいか…
健斗のところにお菓子を運ぶときにチラッと会話が聞こえて健斗の姿が見えた
「でもホントに肌綺麗だよね?おれの彼女よりすべすべ~」
「………」
健斗の隣に座る男が健斗のスカートから覗く太ももをいやらしい笑みを浮かべて撫でている
健斗はボーっとしたまま何も言わなかった
何してんだよ…健斗…
「胸はないけどそれがまたいいなぁ~」
「………」
健斗はびくっと体を震わせたけど胸を撫でられても何も言わなかった
ホントにどうしたんだよ…
「ね?学校祭のあと一緒に良いコトしに行こうよ?お兄さんたちよくしてあげるよ?」
「………」
「ちょっと!!失礼します!!」
「うわっ!!おい!!なにすんだよ!!」
「そう言うのが目的なら帰ってください!!」
そう言って健斗を円の中から引っ張り出して裏に連れて行った
健斗はずっとボーっとしたままだった
「おい!!健斗!!どうしたんだよ!!大丈夫じゃないのかよ?」
「……の?」
「は?」
「なんで猛来ないの…?」
健斗はぶわっと涙をあふれさせて泣きだした
大粒の涙がぽろぽろこぼれて行く
「っわ!!ばか!!化粧落ちるぞ!!」
「まなぶぅ…なんで猛来ないのぉ…」
「…………」
我慢していた分が溢れてきたのか健斗は同じことを繰り返しながら俺の服の裾を掴んで涙を流している
…………………
「猛ぅ…学…たけるどこぉ…」
「いい加減にしろよ!!」
「っ!?」
健斗はビクッと体を震わせて目を丸くしてこっちを見た
「自分で話したくないって言ったんだろ!!だったら自分で話せるようになった時に自分で話しに行けよ!!」
「…………」
「いつまでもぐちぐち泣いてるだけじゃ猛にだってホントに嫌われても知らないからな!!」
「…やだぁ…」
「じゃあ泣くなよ!!もう知らん!!あとは自分で考えろよ!!」
そのまま泣き続ける健斗の手をはらって教室に戻った
何人か大きい声が聞こえたからかこっちを見ていたけど無視した
そうやってビビッて自分で言いに行けることを言わないで、自分はやるだけやったなんて
思ってると後から取り返しのつかないことになるんだからな…それがいろんな人に迷惑をかけて傷つかなくてよかった人まで傷つけるようなことになるんだ…
チラッと銀を見てある人の事が頭に浮かんだ…
健斗たちはまだ話してないだけ…ちゃんと話せば元に戻れるんだ…
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