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文化祭おまけ まなの苦手
「っあ、っや、銀やだ!!待って!!」
「はいはい」
やっと長かった退屈な接客も終えてまなと文化祭を回ることができた
まなも嫌がらずにキスさせてくれたし気分がいい
「………」
「まなそれ動きづらいんやけど」
「うっせ…気にすんな…」
今まなはオレの背中に顔を押し付けている
怖いのが苦手らしい
「まな、怖いのにがてなん?」
「怖くねえよ!!」
「はいはい」
そういいつつもまなはそれこそ生まれたての小鹿みたいな足取りやった
そうとうこわいんやろな~
「っひ!!わぁぁぁぁああぁあぁ!!!」
「っわ、まなビックリするからいきなりデカい声出さんでや」
「い、今!!いま、誰か触った!!俺の肩ぽんって!!」
「お化け屋敷なんやからそんなんあって当たり前やろ」
「…そ、そっか……」
そう言って今度はまながオレの前に回ってきた
俺の胸に背中をぴったりくっつけている
「まな…それ余計動きづらい…」
「う、後ろからこられたらビックリするだろ!!」
「だから怖いんや…」
「怖くない!!」
まながくわっとこっちを振り向いた瞬間前方に何か白い物が出て来たゆらゆらこっちに近付いてくる
……ここのクラスの奴らもオレ脅かすよりまな怖がらせる方がおもろいってわかったんやな…
まなはまだ自分の進行方向で何が起こってるか気づかずオレに怖くないと連呼してる涙目やけど…
まなは白いシーツが目の前に来ても気づかんかった
…ちょっと手助け
「まな、はよいかんと休憩終わるで」
「わ、わかってるよ!!」
やっとまなが前を向いた
『オォオオオォオオオォオ…』
そのシーツが気味の悪い唸り声をだす
まなはなぜか何も言わずにへたっとその場に座り込んでしまった
シーツがすぐ目の前から消える
まぁ目の前に長いこと残っとってもおもろくないもんな
てかまなもっと大騒ぎするかと思った
まなは女見たく足を折り曲げて座って前かがみになって震えとる
「まなー?大丈夫?」
「………」
「まな?」
「う、ぁ…ぎ、ぎ…ん…」
「なしたん?」
まながオレの服を必死に引っ張って青くなった顔で喋ろうとする
「な、なんか…い、た…」
「なにいたん?」
わざと見てなかったふりをする
まなの顔が余計青くなる
「し…しろ…」
「しろ?」
「しろ…が目の前に…」
「なんもおらんかったで?」
まなが口をハクハク動かして驚いている
もう声も出ないぐらい怖いらしい
「ほら、もうそろそろいかんと食堂混むで、飯食いにいこや」
「あっ、っや、銀まって!!」
立ち上がってさっさと先に進もうとするとまなが必死に足に縋りついてきた
「どしたん?」
「……………」
「ほら、行かんと」
「………ない…」
「は?」
「立てない…」
「へ?」
思わず間抜けな声が出た
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