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文化祭おまけ おれも大好き
「……ける…猛…」
「………んん…」
「猛、起きや、校門もう閉まるで?」
「…え!?」
「おーさすが猛早いわ~」
ハッと目を覚ますともう薄紫色になりつつある空をとニヤニヤ笑っている頬付先輩が見えた
オレの背中を蹴ってる
首を巡らすと少し離れたところで顔を赤くして立ってる学さんも見えた
とりあえず体を起こす
結構長いこと寝てしまったらしい…
体の節々がぱきぱき言う
「…ん?…んぅ?たけぅ…」
「…あ」
隣に先輩が寝てた事をすっかり忘れてた
先輩が目を擦ってまだ眠そうに薄く眼を開けた
「あ、ぅ…いた…」
「あ、先輩大丈夫っすか?」
「……う、うん…」
先輩は起き上がるとき辛そうだった
支えてあげる
頬付先輩がにやーっと笑った
「盛んのはええけどこんなとこでそんなカッコで寝てたら誰かに見つかった時ヤバいやろ?」
「あれ…?銀?学?なんで?」
「健斗…もう校門締まるよ…」
学さんがこっちに寄ってきて紺庄先輩に制服を渡してた
他にもオレや紺庄先輩の荷物も持ってきてくれたらしい
顔が赤くなる…
もっとちゃんと回り気にしとくんだった…
先輩も隣で恥ずかしそうにいそいそと制服を着てる
誰かに見られるとか…
「ほら、このまま校門閉められても困るし行こや」
とりあえずここは頬付先輩に従う
閉じ込められたら困るし…
「あ、待って、猛」
立ち上がって頬付先輩と学さんについて行こうとしたら紺庄先輩に呼び止められた
「おぶって」
………あぁ…
先輩が座ったまま手を広げて待っている
しゃがんで先輩をおぶってあげると先輩は満足そうにふふっと笑った、耳に息がかかる
背中が暖かい
「…眠い…」
「寝てていいッスよ?」
「ヤダ、猛と話す…」
「…………」
もう先輩かわいすぎますって…
もともとオレは力のある方だし先輩は軽くておぶるのは苦ではなかった
頬付先輩と学さんに追いつく
「…あ、まなもおぶったろか?」
「!?いいよ!!!」
「でも腰辛いやろ?」
「ッバ!!そんな事ここで言うなよ!!」
「はいはい、帰ったら一緒に風呂入ろな?」
「一人で入る!!」
「まなまだ一人じゃ上手に中の掻き出せんやん?」
「…………しなくていい…」
「腹壊すで」
………先輩たちもヤったんだ……
………………………あ…後処理…
「せや、猛今回ちゃんと後処理したん?」
「…………してないです…」
「どうするん?」
「……………どうしたらいいですか…」
「しゃあないなぁ…うち来い、シャワー貸したるわ」
「………スンマセン…」
仕方なく先輩の家でシャワーを借りることになった…
………めちゃめちゃ行きたくないけど…
その時紺庄先輩が耳元に口を寄せてきた
「ねぇねぇ…」
「はい?」
「あのさ…一緒に入ろうね?」
「!?」
先輩が耳に唇が付きそうな距離でそう言った
……………………あー…どうしよう…オレきっと今うなじまで真っ赤だ…
「背中流してあげる、あ、頭も洗ってあげるよ」
「…はい…」
「猛も洗ってね?」
「はい…」
顔がにやけてしまって顔を伏せた
やっぱり好きだ…
「先輩?」
「?」
「大好きです…」
「おれも、大好き」
【文化祭おまけ おわり】
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