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パパとママ
銀の家に預けられた5歳のまなちゃんはなんというか…おませな子だった…
「学!!銀様は私のなんだからね!!」
「………」
「ちょっと!!聞いてるの!?」
まなちゃんは銀の事が好きらしい
なんていうか…これぐらいの女の子にありがちな感じだよね
その後もしばらくまなちゃんは俺に宣戦布告?してた
そのうちに銀が昼ごはんの準備ができたと呼びに来た
「はぁーい」
「………」
まなちゃんは銀の前では良い子らしかった…
銀の手を握ってリビングに戻ろうとする、銀はわざと手を高い位置に上げてまなちゃんが届かないようにしてた
ホント子供嫌いなんだな…
「銀、手ぐらい握ってやれよ」
「学ならええよ?」
「なんでだよ!!」
銀は仕方なさそうにまなちゃんと手をつないでリビングに向かった
まなちゃん、そっち行く前に俺の方振り向いて舌突き出してたけど…
とにかく俺もリビングに向かった
「はい、あーん」
「一人で食えるって…」
リビングに行くとまなちゃんが銀の膝に座って昼ごはんのグラタンを銀の口に持っていこうとしてた
……なんかすごいな…この子…
「学にやりや、学に」
「いやっ!!」
俺は相当きらわれてるらしい…
またまなちゃんがべーっと舌を突き出した
「学、何とかしてや、オレ子供嫌いやねん、だから学呼んだのに…」
「その子銀に懐いてるみたいだし、銀が頼まれたんだろ」
「え~…でも、これ家族みたいやない?」
「はぁ!?」
銀がニヤッと笑って言う
突然の発言に顔が赤くなる
まなちゃんが俺と銀を交互に見て口を開いた
「銀様がパパでまながママで学が子供」
「ちゃうわ、お前が子供や」
「えーやだやだ!!だって学も銀様も男だよ!!」
ちょっとだけびくっとするばれてないとわかってても焦る
「学がママや」
「はぁ?お前がママやれよ」
「なんで?どう考えても学やろ?」
「やだっ!!まながママ!!」
「銀の方が料理も洗濯もやるだろ」
「まないっつもヤるとき下やろ?」
「っな!?」
「?」
銀が勝ち誇ったようににやっと笑った
顔が熱くなる
「決まりやな」
「……………」
「やるってなにを?」
「お前まだ知らなくてええねん、ほら、食い終わったら皿さげ」
「はぁーい…」
まなちゃんが不貞腐れたようにキッチンに皿を運んでいく
それを見計らって銀が俺の頬に手を添えてちゅっと軽くキスしてきた
余計顔が熱くなる
「っ!?」
「オレ、あいついるからって我慢とかする気ないから」
「!?」
「ほら、ママも皿片づけ、今日はママが皿洗ってな」
「…………ママって言うな…」
「なんかそれ懐かしくてええな」
「……………」
銀が俺の頭を撫でてから自分の皿を持ってキッチンに入って行った
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