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睡眠不足
「で、その女の子がまなちゃんって言うんだけど…」
「「…まな?」」
週末も空けていつも通りの学校生活に戻った
健斗と猛はあの文化祭以来有名人になってしまって大変らしい
猛には相変わらずアタックしてくる女の子が絶えないみたいだしなぜか健斗には男のファンが増えた
もちろん批判的な事を言う人たちも少なくないけれど二人とも気にしてない
まだ校舎裏まで押しかけてくる人はいないらしい
「あいつうっさいねん…夜も布団敷いてやったのに一緒に寝るって聞かんし、朝早くから朝ごはん作るとか言って起きるしそしたらオレもさすがに起きなあかんやろ?もう朝から晩まで一緒やねん…」
「だから銀眠そうなんだね」
「もうろくに寝れんもん…ねむ…」
「で、その子今はどうしてるんですか?」
「あー隣のおばさんがあずかってくれとる」
「…?知り合いなんですか?」
「いいや、ただどうかな~と思って聞いてみたらええよって言うてくれた」
…………こいつまたどうせ無駄な色気をダダ流しにして頼んだんだろ…
猛を見ると猛も同じような顔をしてた
きっと同じこと思ってるんだろうな~…
「でも頬付先輩って子供に好かれるんですね…」
「猛お前ケンカ売ってんのか…」
「あ、いやそうじゃなくて…案外ちゃんと面倒見るんすね」
「そら死なれたら困るやろ」
「死…って…」
でも銀は目元にクマができてた
いつも白いけど心なしかいつもよりも白くって言うか顔色悪く見えるし…授業も寝てたし…やっぱ疲れてるのかな…
「銀疲れてるなら寝てれば…」
「あーそうするわ…」
「!?」
そう言うと銀はさも当たり前のように俺の膝に頭を乗せてきた
ぐりぐりと頭を太ももに押し付けて「んー…」と唸っている
「ぎ、銀!!」
「何?」
「っや、その…膝…」
「あーあったかくてやーらかくて気持ちええで?」
「いや、そうじゃなくて…」
「ふあ…ねむ…」
銀が手で俺の太ももを揉んでそんなことを言う
じじいかこいつ…
「いいじゃん、銀眠そうだし膝枕してあげなよ」
「ひざまくら…」
自分がしていることを改めて理解して顔が熱くなる
でもそうこうしてるうちに銀は目をつむって寝てしまった
日光がまぶしいのか眉間にしわが寄ってる
手をかざして影を作ってやった
やっぱり寝てる方がおとなしくて良いな…
「ホントに眠かったんですね…」
「猛すごいよな…いつもそんな感じだろ?」
「あ、まぁでもオレは慣れてますし…」
「猛も膝枕する?」
「あ、っや、大丈夫です…」
「気持ちいのにー」
普通に会話して健斗がうるさくしたりしても銀は起きなかった
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