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一緒にサボろ?

「銀…?」 「………」 「もう昼休み終わるけど…」 「………」 「ぎんー?」 「………」 「………」 銀は昼休み終了の予鈴が鳴っても起きなかった もう健斗と猛は教室に戻った 手の甲で頬を軽くたたいても「う~ん…」と唸るだけだった… 少し寒くなってきたせいもあってか体を丸めて寝ている …………まつ毛長いなぁ…髪もサラサラで、いい匂いだし、スタイルいいし…カッコいいし…… そんな事を考えながら銀の頭を撫でた 突然銀に手を掴まれる 「…銀?」 「…………」 「……起きた?」 「…………」 起きてはないらしい なんか柄にもなくずっとこうしてたいと思った…… 「銀?」 「…………」 「好き…」 「…………」 銀が起きてるとなかなか気恥ずかしくて言えなかった いつもこれくらいおとなしいと良いんだけど… その時本鈴がなった やば…忘れてた…起こさないと… さっきより強めに銀の肩を掴んで揺する 「銀、銀…授業行くぞ」 「んー、ん?」 「ほら、早く起きろよ行くぞ」 「………あれ…健斗と猛は?」 「もうとっくに戻ったよ」 銀はまだ起き上がろうとしないで俺の膝に顎を乗せて再度眠りに入ろうとする 「おい、寝んなって!!留年するぞ!!」 「オレ頭ええから大丈夫やって…」 「…………」 ………頭湧いてんのか… でも実際そうなのが腹立つ…… 「っな?まな、サボろ…?」 「……一緒にサボったらみんなに不審がられるだろ…」 「今さらやろ」 「…………」 銀がのそのそ起き上がったと思ったら抱き着いて押し倒された 「おい!!」 「あーまなの匂いや…やっぱ落ち着くわ…」 銀が俺の首筋に鼻を押し付けてスンスンと匂いを嗅ぐ やっぱりつかれてるのか… 「まなも一緒に寝よ?」 「…こんなとこで寝たら風邪ひくって…」 「まな暖かいから大丈夫…」 そう言って銀は再度寝てしまった 寝ぼけてたのかいつもの皮肉めいたにやにや笑いが消えていて柔らかい雰囲気だった 銀は押しても離れそうになかったしがっちりホールドされて抜け出せそうにもなかった 仕方なく脱出と今回の授業は諦めることにして銀の背に腕をまわして目を閉じた

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