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買い物
それからふらふらいろんな店を見て適当に気に入ったものを買った
銀はまなちゃんに新しい人形と絵本を買ってあげてた
………ちょっと意外…
銀が会計を済ませてまなちゃんに人形と絵本の入った紙袋を渡している
「………銀結構ちゃんと面倒見てるじゃん」
「ん?あぁ、別に金あるし?」
「…………」
最低だ…
少しいいとこあるなって見直してたのに…!!
その後もいろいろ回った銀が薬局でコンドーム買おうとしたときや女性用下着売り場に入ろうとしたときはさすがに全力で止めたけど…
って言うかお前一度でもコンドーム使ったためしがないだろ!!
俺も最近毎週末だれかさんの家に軟禁されっぱなしでしばらく服とか買いに来れてなかったからいろいろ買うことにした
とりあえず下着と靴下と何枚か服を見て歩く
………とにかく下着の消耗が激しい…今のままだと下着足りなくなる…
こいつの前で…しかもまなちゃんがいるところで下着買うなんて不本意極まりないけど次いつ来れるかわかんないし…
適当に選んでさっさと買っちゃおう…
適当なのを選んでカゴに入れて行く
「えー学そんな色気のかけらもないやつばっかー」
「べつにいいだろ…」
「今度オレがええやつえらんで買ったるから~ボディーストッキングとかかわええレースの前開いとるやつとか…」
「結構です」
銀を無視して買い物を続ける
こいつに下着なんて選ばせてみろ…絶対やたら布の面積が少ないやつ来るんだ…
とりあえず灰色や黒や紺の普通のボクサーパンツを何枚か選んだ
「なぁなぁ?こんなんは?」
「っ!?っば!!なに持ってきてんだよ!!早く返して…ってカゴに入れんな!!!」
「えーええやん、かわええって~」
「コレ女物だろ!!」
「絶対に会うって~」
「いらない!」
「じゃあ今度ちゃんとメンズブラ…」
「いらない!!」
銀が持って来たのはピンク色のやたら布の少ない下着だった…レディースの…
下なんか意味あんの!?ってぐらい露出が激しい…後ろとか紐じゃんこれ…
とにかくなおも食い下がる銀をいなして必要な物だけ買った
会計の時もそーっとブラジャー忍び込ませようとしてたけど…まったく油断も隙もあったもんじゃない…
その後は銀の服を見に行った
別にいらんとか言ってたけど銀はホントに持ってる服が少ない、しかもバリエーションも少ない
今回だけまなちゃんと意見が一致して銀を服屋に連れて行った
銀は店に入ったら諦めたらしくじゃあ適当に選んでくるから待っとってって言って店の中を歩き回って適当に何着か選んで試着しに行った
って言うか試着しないでそのまま買おうとしてたのをさせた
まぁ服だって安いもんでもないし…
とにかくまなちゃんと二人で椅子に座って銀を待った
まなちゃんはあからさまに俺から一人分離れたところに座ってた
傷つくな…なんか声かけた方がいいかな…
するとまなちゃんと目が合った
でもすぐにぷいっと逸らされる
…………やっぱ声かけんのはやめよう…
うなだれておとなしく銀が出てくるのを待とうとした時だった
まなちゃんから話しかけてきた
「………学はなんで銀様と仲良いの?」
「……え?…」
「だって、顔も普通だし私の方が可愛いし、いっつも銀様にいやだいやだって言ってるのに…」
「…………」
「ズルい…」
……この子は俺と銀の関係に気付いてるんだろうか…
なかなか核心をついてくるからうまく答えられなかった…
おどおどしてるとシャッと音がして試着室から銀が出て来た
「どや?」
銀が発言通りのドヤ顔をしている
口がふさがらない
まなちゃんも同じような顔をしていた
「お客様とってもお似合いです」
店員も嬉しそうにしている
銀のそれはホントに似合っていた
Vネックのカットソーをの上に紺色の細身のジャケットを着て、下は茶色に近いベージュの裾を折ったクロップドパンツをはいている、ちょうど銀の細い足首が見えて靴も明るい茶色のローファーでふちの厚めな伊達メガネと首にターコイズのネックレスを付けていた
ハッキリ言ってめちゃめちゃかっこよかった
………モデルみたい…
店にいた人もみんな銀を見るほどの目立ちようだった
銀がにやっとわらった
「似合うやろ?」
「……ま、まぁまぁだよ…」
「ふふっ」
銀は満足そうだった
直視できないってこういうことだ……
「すごーい!!!銀様かっこいいー!!!」
「やろ?じゃ、買ってくるわー」
ホントは買って欲しくないかも…とか…
だってまた銀が目立つ…
言えないけど
そう思ってたら銀がこっちに寄ってきて小声でこんな事を言った
「学と一緒の時しか着ないからそんな心配がらんでもええで?」
「ッ!?……も、もったいないだろ!!!ってか心配なんて…」
「いいや?だってオレがこれ買うんは学のそういう顔見るためやもん」
「ッ!?」
銀はもう一回ニヤッと笑って会計をしに行った
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