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川の字

まなちゃんはその後もパワフルだった 銀に買ってもらった新しい人形で銀(無理やり)と俺(やっぱり馬)と遊んで絵本も読んでもらって嬉しそうにしていた 「……近すぎやない?」 「いいの!!」 「はいはい…」 「………」 誰がどこで誰と寝るかでまた言い合いになってなぜか床に二枚布団を敷いて3人で寝ることになった …狭い…… 銀が寝てまなちゃんが銀にぴったりくっついてオレはもうすみっこのすみっこに追いやられてた ………いいけどね…てか俺一人でベットでもいいんだけど…むしろそれがいい… まぁ銀が許してくれなかったんだけど… でもまなちゃんオレの脇腹蹴らないで欲しい… そんな事考えてるうちにうるさくしていたまなちゃんも静かになって脇腹を蹴る足もなくなって代わりにすーすー寝息が聞こえてきた そっちを見ると銀の胸元に張り付いて体を丸めて眠るまなちゃんが見える 疲れたんだな… いろいろあったけど明日でお別れかと思うと少し寂しくなるなぁ… そう思ってまなちゃんに手を伸ばしたら俺の正面に別の大きな手が伸びてきた びくっと反射で体を揺らしてからその手の持ち主を見る 「………なん、だよ…」 「別に?まながかわええ顔しとるから触りたくなってん」 「……ん…」 銀の手が横になってる俺の頬を撫で首の筋をなぞる そんな銀の手が気持ち良くて無意識に自分から頬を銀の手にすり寄せてた 心地よくてどんどん眠気で頭が支配される 「ふふっ、まーな?」 「………んー…」 「まな眠い?」 「……んー」 「そかそか、眠いのか」 「…………」 「……………まなかわええよ…」 「……ン…」 銀の手が俺の顔の輪郭をなぞる くすぐったくてあったかくて心地いい 眠くて気が緩んでるせいでふにゃーっと口角が上がって自然と笑顔になる 「……まな、なにそれ…超かわいいんやけど……」 「んー」 「…………」 銀の指が俺の唇をなぞってちゅぷちゅぷと口に入ったり出たりを繰り返す 口に異物が入って呼吸が妨げられる感覚に顔をしかめた 「……むー…」 「ははっ、これはいやなんや?」 「…………ん…っん…」 「はいはい…」 もう眠気がひどくて覚えてないけどこの時銀に頭を引き寄せられてキスされたような気がする そのまま俺は心地よくて眠ってしまった

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