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チアボーイ
「でね、おれサッカーもバスケもバレーまで外されちゃったんだよ!!ひどいよね!!」
「………そ、うですね?」
「健斗チビなんだからバレーやバスケは無理だろ」
「ひどい!!」
俺らは3組で猛は1組だから猛とはチームが一緒じゃない
ちなみに1組は猛と猛が一緒にバンドをやってた鈴木先輩と早瀬、あと猛のお姉さんがいる
猛はあのままバンドに入ってるらしい先輩たちに引き留められて残ってるけど本人も楽しんでやってるっぽかった
ちなみに3組は俺、健斗、銀のほかにバンドの篠田先輩がいるらしかった
俺はそんな仲がいいわけじゃないけど健斗はそれなりに仲がいいらしい
………仲がいいって言うか可愛がられてるって感じだけど…
「でも頬付先輩バスケ出るんすね…てっきり学さんとサッカー出るんだと思ってました」
猛がため息交じりに言う
背が高くて猛もバスケに選ばれたせいで気が重いんだろう
…………かわいそうに…
「まぁな?ご褒美貰えんねん」
「ご褒美?」
「なー?まなー?」
「………うるさい…」
「なーにしてもらおかな~」
「…………」
気が重い……
銀はバスケ以外に二人三脚とリレーに出る
しかも二人三脚の相手は俺だ…
ボーっとしてたら選ばれてしまった……
リレーは足が速い順で選ばれたからそうなったようだ
健斗は借り物競争とリレー
俺はサッカーと借り物競争と二人三脚
猛はバスケとリレーらしい
もう体育祭出たくない…
俺が出たくない理由がもう一つあった
「まな応援係もやるもんな~」
「………言うなばか…」
「あ、おれも出るー」
「お前は良いだろ!!」
俺の学校の体育祭は規模がでかい分体育委員だけじゃ手が足りず一般生徒にも係が割り振られて手伝いをしないといけない
そのなかに応援係がある
「え、衣装なんなんですか…」
「チアガール……」
「………」
うちの学校は俺が入学した時からずっと応援係は女は男装男は女装するのが通例だった
1年の時は健斗がバニーガールの衣装来てるの見て笑ったりしてたけど自分がすることになるとは思わなかった……
「たのしみやな~学のチアガール、あ、せや、チアガールでご褒美貰おかな~」
「……………」
もうやる前からげっそりだ…ストレスでハゲそう…
「紺庄先輩もやるんすか…チアガール…」
「うん!!やるよ!!去年はバニーガールやったの、ほら」
健斗が去年の写真を猛に見せている
猛は顔を真っ赤にしながら「か…かわいい、です…」って言ってた
ムッツリめ…
「おれねー体やわらかいから足上がると思うんだー」
「……っそ、ッスか…」
「そんなんまなもやーらかいよな?いっつもくにゃくにゃやし、もういろんな体位が…」
「やめろって……」
もういつもみたいに怒る気も起きなかった
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