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体育祭前夜
「はぁ…」
大きなため息が出た
ひたすら気が重い…
明日は体育祭だサッカーの試合やそれ以外にもいろんな競技がある
そして…
目の前のチアのユニフォームを見た
これを着て応援しないといけない…膝上30cmで…
「はぁ…」
もう一度ため息をついた時にビーッビーッとスマホが鳴った
「…………」
画面には見なくても分かるが「銀」と名前が表示されてた
結構前に銀だけ着信音を警告音にしといた
……めっちゃ出たくないんだけど…
しばらく画面を眺めて電話には出なかったけどしつこく鳴り続けるので仕方なく通話ボタンを押して耳にスマホを寄せた
「………はい…」
「あーまな?出た出た、あのさー明日一緒に学校行こや」
「……なんで…」
「別にええやろ?付き合っとるんやし?」
「っ!?」
その言葉に今さらながらかぁっと熱くなる
そんな事で照れてる自分に余計恥ずかしくなった
「あ、まな今赤くなったやろ~」
「!?なってない!!!」
「え~嘘やん」
「なってないって!!!」
「とにかく明日な、7時半に駅な」
「?………なんでそんな早いんだよ…」
恐々聞き返す
7時半に駅は早い
いつも俺と銀が学校に行く時は8時ぐらいに駅で待ち合わせて学校まで行く
それでいつも十分だった
8時15分でも急げばぎりぎり間に合うような距離だ
7時半って…
「まなに渡したいものあんねんとにかく7時半な」
「………わかったよ…」
「じゃな~おやすみ~」
「……おやすみ…」
そう言って電話を切った
「はぁ…」
何度目かわからないため息をついてベットにひっくり返った
………本当はちょっと楽しみじゃないこともなかった
文化祭だって体育祭だって楽しみな事は楽しみなんだ
ただ気が重い…
チアの衣装が目に入ってまたため息が漏れた
とにかく明日は7時半に駅行かないと…
渡したいものって…なにくれるんだろう…?
ロクなもんじゃない気がするけど…
そう思いながらもちょっとだけ期待している自分がいて余計嫌だった
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