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笑顔の方が

「すごーい、頬付クンヘアアレンジもできるんだ~今度私にもやってよ~」 「あ~悪いなぁ、あいにく手のかかるお客さんがいるんよ~」 「………手かかってわるかったな…」 「あ、まな頭動かさんで」 銀に教室で髪をいじられてる 元々短い髪をヘアピンで止めて残りの髪をかき集めて縛るって言う感じ ちょっと髪が引っ張られて痛かった 「はい、できた」 「あはは、杉田君カワイー」 「…………」 目の前に手鏡が持ってこられる そこにはぶすっとした短い二つしばりの顔が見えた 綺麗に髪の毛がピン止めで止められて上に持っていかれてる うまい…けど…でもなんか…ちんちくりん… 「やだよ…こんなの…」 「えーなんで?かわいくできたのに~」 「…だって、なんか…」 「だーめ、かわええやん」 銀が俺の顔の横に顔を寄せて鏡を覗き込んでくる 鏡に映った自分の顔が赤くなった気がした 「あ、まなダメやで、笑顔笑顔、まな今日チアガールなんやから」 「…お前がやらせたんだろ…」 「健斗見てみ、ノリノリやで?」 「…………」 健斗はぽんぽんを持ってポーズを決めて写真を撮られてた にっこり笑ってかわいらしかった 「な?ほら、にーって…」 「…………」 「まな、約束やろ?ほら、にー?」 「…………に、に…-?」 「ちゃうちゃう、もっとこう自然ににーって…」 「…に、-…?」 「う~ん、こうやってほら、こんなんこんなん」 「…あ、おい!!やめろ!!…いひゃい!!」 「ははっ、そうそう、っく…その…調子…くくっ…」 「わあうな!!!」 「ふふっ、まなかーわいー」 「やめろ!!」 「おっと…」 頬に手を当てて引っ張る銀の手を掃って頬をおさえた くっそ…楽しみやがって… 銀がにやにやしているのに腹が立ってフイっとそっぽを向いた 「まな~もうすぐそやって不貞腐れる~」 「…触んな…」 「も~まな~」 銀が頭を撫でるのもかわした それでも銀が全く応えてなくてカラッと笑ってるのに余計腹が立った でも一番素直に笑顔一つ満足にできない自分に腹が立った ぶすっとしてると銀の手がするっと俺の顔を撫でて銀の方を向かせた 「まなは笑ってる方がかわええよ」 「っ!?」 銀がふわっと笑ってそう言った俺のうなじに少しだけ残ったヘアピンで止めきれなかった髪を手に絡めて遊んでる 背中がゾクゾクした でもちょっとだけ照れくさくて嬉しかった 思わず少しだけ笑顔になった 「ほら、そっちのがかわええ」 「………うるせ…」

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