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頬付銀にお姫様抱っこ〜学の借り物〜

「はーい、7走目の人はスタートラインまで移動してくださーい」 体育委員の活発そうな女の子が旗を振って俺達スタートラインまで誘導する やっと俺の順番が回ってきた 俺は今ちょっとだけ機嫌が悪かった 原因はわかってる、でもそんなことに機嫌が悪くなってる自分に気付いて余計機嫌が悪くなってた パァン!!と音が鳴ってハッとする 周りはもう走り出してた さっきの事が気になって遅れた… あんなこと気にかけて遅れるなんて… 余計機嫌が悪くなる 焦って少し遅れて走り出した 「学ー!!がんばれー!!!」 チラッと先にゴールした健斗がぽんぽんを振って応援してくれているのが見えた 隣にはバニーガール姿の早瀬も見えた ……早瀬今年バニーガールだったんだ… そんな事を気に掛けながら地面に落ちてるカードを拾った どんな変なのでもアイツのとこに行かなくていいやつなら何でも…… そう思ってめくって文字を読んだ 「『頬付銀(お姫様抱っこ)』……」 …………『頬付銀(お姫様抱っこ)』か…… ……………!? 一拍置いて頭が内容を理解した 体の温度がぐんぐん上がってるのがわかる 他の奴らはもう自分の借り物探しに走ってるのに俺はいまだにカードを拾った位置から動けなかった 他のやつ…特に女子が引いたならきっと大当たりカードなんだろうけどなんで男子の方に……くっそ…誰だよこんなカード混ぜた奴…しかもまさかコレを俺が引くなんて… ほんと誰だよこんなの作ったやつ!!! その時校庭の隅で誰かが電話をかけていた… 「美香やったわよ、杉田君に私特製『頬付君カード』を引かせることに成功したわ!!」 『さっすがしず姉!!あ、たけ兄の方は?』 「あ!!そうそう健斗くんが『カッコいい人カード』引いたのよ~」 『おぉ!!たけ兄よかったじゃん!!』 「それがね!!健斗くん猛のとこいかなかったのよ!!」 『へ?じゃあ誰のとこ行ったの?』 「頬付君」 『はははっ!!たけ兄かわいそー』 「でも喜びなさい!!おかげで頬付君にお姫様抱っこされてる健斗くんの写真と頬付君にほっぺちゅーをされてる健斗くんの写真をゲットしたわ!!!」 『なにそれ!!なにそれ!!なに!!たけ兄健斗さん巡って△…あ、杉田さんも入れて□関係!?』 「ふっふっふー…しばらく同人のネタには困らなくて済みそうね!!」 『そうだね!!あ、授業だ、もう切るね!!帰ったら見せてよね!!』 俺はこんな会話がされてた事を知らない ただカードを持っていろんな感情がごちゃ混ぜになってぷるぷる震えてた

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