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二人三脚
「まな、もっとこっち寄ってや、縛れん…」
「………」
「まな、ほらこっち」
「…あ……」
銀の隣にしゃがんでると銀に腰を引かれた
肩や足がぴったり銀に張り付く
………俺怒ってるんだからな…
今もまだ俺のものはスカートの中で勃ったままだった
幸いスパッツのおかげでスカートを押し上げたりしてることは無いが窮屈だった
それに何かの拍子でスカートがめくれたりしたらばれる…
でも銀はさっき何もなかったかのように足を縛って俺の肩を組んだ
俺が不機嫌で起こってるのにも気が付いてないフリをしてる
こいつ絶対気づいてるのに…
そう思うとなんだか自分が子供っぽくなった気がして余計イライラした
「スタートラインに並んでくださーい」
体育委員の先輩の指示でスタートラインまで進んだ
今日まで二人三脚の練習なんてしてないからやっぱりもたつく
ちょっとだけ銀の方が歩幅が広い…
二人三脚は4チーム各8組、全部で32組が出場する
1度に各チーム2組づつ走って4回戦だ
初め2回が男子あとの2回が女子
学校の校庭の400mトラックを一周だった
俺らは1番初めのグループに入っていた
ちらっと隣の銀を見上げる
日光で白い肌が透き通るように見えた
思わず見とれてしまった
突然パァンと音がしてと我に返る
スタートの銃の音だとすぐに分かった
また出遅れた…!!
そう思ったら突然足がくんっと引っ張られてバランスを崩した
体を支えられなくてぐらっと体が傾いでそのまま地面に前のめりに倒れた
「あ…まな?」
「………っう…」
「まな?大丈夫?」
痛みに耐えながら体を起こすと銀が心配そうにのぞきこんで来た
思いのほか顔が近くてドキッとする
恥ずかしくてすぐに立ち上がろうとしたけれど足に力を入れると手や膝、足首の辺りが特に痛かった
「…いた…」
「あーあー、派手にこけたなぁ…手と膝は擦り剥けとるな…あとまなどこ痛い?」
「…足首…痛い」
「う~ん…捻ったんやろか?」
「いた…」
銀が足首を摩ってくれる
痛いのと周りから注目を浴びて恥ずかしいのと銀に触られて体が熱いので頭がぐるぐるしていた
銀が足を縛ってた縄を解こうとしてくれる
「っあ、大丈夫だから…」
「何言っとるん?保健室行くで」
銀が紐を解いて俺の膝の裏に腕をまわした
「あ、の…抱っこは…ちょっと……」
「おんぶにしたるか?」
「それも…その…」
もう心臓が結構限界だった
さっきの事もあって下も勃ったままだし、俺が派手にこけたせいでみんなも見てる、その上こんなところで抱っこやおんぶなんて…
平静を装える気がしなかった
「………しゃあないなぁ…」
そう言うと銀は肩を貸してくれた
………絶対抱っこされると思った…
銀の方が背が高いから持ち上げられるような形になる
なんだかこれはこれで恥ずかしかった
銀が近くの体育委員に事情を話してくれてそのまま保健室にむかえることになった
銀をちらっと見ると「大丈夫?」と聞いて心配してくれた
さりげなくちょっとだけ銀が先を歩いてくれて庇ってくれる
………なんだよ……いつも意地悪なくせに…
なんか調子狂う…
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